映画「いとみち」製作委員会が8月11日、津軽を舞台にした小説「いとみち」の映画化を発表した。
「いとみち」は、津軽三味線を演奏できる弘前の高校に通う女子高生・相馬いとがメイドカフェでアルバイトを始めるというストーリー。アルバイト先で一緒に働く仲間や常連客との出会いを通じて成長する姿を描く。
相馬いとを演じるのは青森・平川出身の駒井蓮さん。駒井さんはポカリスエットCM「女子マネージャー篇(へん)」で注目を集め、ドラマや舞台、映画で女優業を務める傍ら、モデル業なども行う。2018(平成30)年には「名前」で映画初主演。主演作品は「いとみち」で2作目。駒井さんは「生まれ故郷での作品に出演できることがうれしい。私に刻み込まれた青森と共に、新しい青森も発見したい」と意欲を見せる。
相馬いとの父親役は豊川悦司さん。豊川さんは1989(平成元)年に「君は僕をスキになる」で映画デビュー。テレビドラマ「愛しているといってくれ」や映画「20世紀少年」、「今度は愛妻家」などに出演し、日本アカデミー賞などを受賞している。
監督は横浜聡子さん。横浜さんは青森出身で、映画「ウルトラミラクルラブストーリー」で商業長編映画デビュー。2013(平成25)年には弘前を舞台に弘前市制作の「りんごのうかの少女」を監督している。
撮影は9月からスタート。撮影は弘前だけでなく、相馬いとが住む板柳や通学に使う五能線、陸奥湾、古川市場などで行い、完成は12月を目指す。公開は2021年。青森先行上映を予定している。8月下旬にはオリジナルグッズの進呈やエンドクレジットへの記載権などをリターンとするクラウドファンディングを展開する。
2017(平成29)年には原作者・越谷オサムさんを招き講演会を開くなど、映画化に尽力した弘前フィルムコミッションの白戸大吾さんは「新型コロナウイルスの影響で祭りのない年となったが、映画のエキストラ出演や撮影ボランティアなどの形で参加し、県民みんなとお祭り気分で盛り上げていければ」と話す。