青森の製パン会社「工藤パン」(青森市)が8月1日、弘前大学COI研究推進機構とローソンから依頼を受けて開発した「全粒粉イギリストースト(玄米ホイップ)」を販売する。
工藤パンは青森のソウルフードと呼ばれる看板商品「イギリストースト」を50年以上にわたって販売を続ける。グラニュー糖とマーガリンをサンドした菓子パンで、サンドする山型食パンがイギリス発祥だったことから「イギリストースト」との商品名に決まったという。カロリーは487キロ。
弘前大学COIは、2013(平成25)年に文部科学省から革新的イノベーション創出プログラム「COI (center of innovation)STREAM」の採択を受け、10年間にわたって2000項目の多項目健康ビッグデータを解析するという事業。生活習慣病などの早期発見を可能にしようとし、さまざまな企業と連携し、官民学の展開をする。昨年の「第7回プラチナ大賞」では総務大臣賞に選ばれている。
きっかけは、2018(平成30)年に青森県の健康食品開発事業にローソンが参加表明し、弘前大学COIとの共同開発を工藤パンに依頼したことから。昨年は食物繊維が取れる「きんぴらごぼうパン」や「四角い豆パン」などを東北全域のローソンで発売した。
工藤パンの蝦名英樹さんは「昨年の商品打ち合わせの際、弘前大学COIの中路重之特任教授から『イギリストーストで健康パンを開発できないのか』と意見をいただき開発が始まった」と振り返る。ローマミールの全粒粉を使い、玄米ホイップをトッピングする。パッケージにはローマミールのロゴを使用し、穀物類のイメージを引き立たせるよう濃色を意識したという。カロリーは357キロ、食物繊維は3.5グラム。
中路さんは「一日に必要とする食物繊維の目安は20グラム。普段の食事から食物繊維を取り入れることは、大腸がんや肥満のリスクを減らす効果が期待できる。短命県青森のソウルフードで実現できたことは喜ばしい」と笑顔を見せる。
価格は135円。青森県内を中心としたコンビニ、スーパー、工藤パン取扱店で販売する。