青森・黒石にビジネスホテル「こみせの宿 ホテル逢春(ほうしゅん)」(黒石市横町、TEL 0172-26-8441)がオープンして1カ月がたった。
黒石中心市街の「中町こみせ通り」近くにある同ホテル。「中町こみせ通り」は、藩政時代の木造のアーケード状の通路が残り、築270年以上の商家の住宅や酒蔵が並ぶ。10数年前に閉店した「七兵衛サマ薬局」跡に出店した同ホテルは、町の景観を守るため、外観は「こみせ」風の雰囲気を残すようにした。
黒石市内には気軽に使える宿泊施設がなかったことから、こみせ通り商店街振興組合が中心となり、宿泊施設の開設に向けて約3年前から動き始めたという。昨年10月から着工し、3月に完成予定だったが、新型コロナウイルスの影響でオープンは1カ月延期し、6月1日となった。
2階建てで延べ床面積は887.78平方メートル。客室は2階で、4タイプ15部屋を用意。1階には喫茶スペースのほか、最大120人を収容できるバンケットホールを備え、イベントや宴会の受け入れにも対応する。
こみせ通り商店街振興組合の村上陽心さんによると、オープンから1カ月間、宿泊客が途切れる日はなかったという。「本来は弘前の宿泊施設に泊まるようなビジネス客が当館を利用しているケースもあった。当館を利用するだけでなく黒石の魅力を少しでも触れる機会となればうれしい」と話す。
今後について、村上さんは「ビジネスホテルだが、週末は黒石観光の基点となるような観光ツアーを企画したい。当館には温泉がないため、郊外などにある温泉施設まで送迎したり、街中を案内したりするといった利用が増えるように仕掛けていきたい」と意欲を見せる。
宿泊料金(一人1泊)は、シングル朝食付き=6,200円~、素泊まり=5,500円~。