ソーイングラボ「acot」(弘前市品川町、TEL 0172-88-5568)が3月1日、弘前にオープンした。
生地や糸、ソーインググッズの販売のほか、手芸教室や仕立てなどを行えるラボスペースを備える同店。店主の櫛引紗織さんは「生地が主役のワンマイルウエアの提案や愛着が持てるような洋服を持ってほしい」と話す。
「初めて裁縫をしたのは小学4年生の時。ミシンをねだり自分でバッグを作ったのがきっかけ」と櫛引さん。弘前実業高校服飾デザイン科を卒業し、ソーイング業界で働くことを目標に東京の文化服装学院へ進学するが、競争する環境になじめずUターン。2017(平成29)年にハンドメイドの双子用子ども服ブランド「inorino(いのりの)」を立ち上げ、ワークショップ開催などの活動も展開している。
出店を決意したのは昨年5月、生地の生産国や製造過程、適した手入れ方法などを伝えるには、服に愛着を持ってもらえるような場づくりやソーイング技術や知識を学べる場所が必要と感じたためという。櫛引さんは「出店に当たっては候補地が複数あったが、私と同じ、とら年生まれの物件にご縁を感じた」と笑顔を見せる。
ロゴのキャラクターに虎を描き、店名は、イギリスで「得意な活動や趣味」という意味を持つ「a cup of tea」の頭文字から由来する。店舗面積は約6坪。店内は「焼き菓子店」をイメージし、菓子用ショーケースや商品を選ぶためのトングやトレーを置く。「一番のお気に入りはドアチャイム。入店の際はぜひ鳴らしてほしい」と櫛引さん。
商品は、約50種の生地を1メートル=600円~(縦110センチ)販売し、オーダーメード注文にも対応する。天然素材や竹や和紙などの素材を使ったアブリル製糸(440円~550円)を販売するほか、手軽にソーイングができる「くるくるソーイングセット」(1,430円)や「引きぞろえ糸のプロジェクトバッグ」(小タイプ=550円、中タイプ=880円)、子ども向けのハンカチ「クレープハンカチ当たり付き」(660円)などのオリジナルグッズもそろえる。
店内には子どもが遊べるキッズスペースを設置し、「dou?」製の「ひらがなビスケット」や「キャリーミー」など積み木のおもちゃを用意。ハーブティーや雑貨なども取り扱い、今後は既製品も増やしていく方針という。
櫛引さんは「オープンして間もなくして、立ち寄ったお客さんがボタンを直すことがあった。お繕いといった『ダーニング』もしていただけるような場、女性に限らず男性もソーイングを身近に感じてもらい、始めたくなるような店にしていきたい」と意欲を見せる。
営業時間は12時~18時。月曜・祝日定休。