弘前のカフェ「集会所indriya(インドリア)」(弘前市紙漉町、TEL 0172-34-6858)が3月3日、新型コロナウイルス感染対策による休校中の子どもの受け入れを始めた。
世代や立場を問わず人が集まれる場所を作りたいとの思いから21世紀型の集会所として始まった同カフェ。店主の大西晶子さんは、2月27日に発表された全国一斉休校を自分のことのように感じたという。
「自分自身が子どもを周りに預けながら育てていたため、今回のように突然子どもの行き場がなくなると、困る保護者の気持ちが分かる。1時間でも2時間でも預けられるような場づくりが必要なのではと思い、子どもを受け入れることにした」と大西さん。
受け入れにあたっては、ウイルスに関する予防・消毒方法、換気の必要性など医者から学び、関係するスタッフ10数人と共有した。大西さんは「新型のウイルスに薬がまだなく、不確かな情報が溢れ、社会全体が不安になっている。正しい知識を得ることが大事なのでは」と話す。
初日となった同日は、市内小学生1年~4年生6人を受け入れた。「6人の家庭環境はそれぞれだが、共通するのは保護者が学校の時間に働いていること。小学高学年や中学生であれば一人で留守番も可能だが、それ以下の子どもに一日だけでなく数日の留守番はストレスになる。息抜きになってもらえれば」と大西さん。
滞在中は勉強や読書、ボードゲームやテレビゲーム、庭で雪遊びなどを行ったほか、昼食は協賛した生産者の米や野菜を使ったチャーハンやリンゴなどを100円で提供した。
大西さんは保護者に「一人で困っているなら、まずは相談だけでもしてほしい」と呼び掛ける。「本来であれば、子どもを守るために学校や地域が助け合わなければいけない問題。私たちのような活動はない方が望ましい」と話す。
受け入れは7時~20時。無料。