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弘前在住カメラマンが初の写真集刊行へ モノトーンで雪景色切り取る

弘前在住のカメラマン・柴田祥さんの写真集「津軽再考」(提供:道音舎)

弘前在住のカメラマン・柴田祥さんの写真集「津軽再考」(提供:道音舎)

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 弘前在住のカメラマン柴田祥さんが5月24日、初の写真集「津軽再考」の注文受付を開始した。

モノトーンの津軽の風景を撮影する柴田祥さんの写真

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 津軽を中心とした青森の風景写真を撮る柴田さん。モノトーンの雪景色を多く撮影することが特徴で、2014年には第62回ニッコールフォトコンテスト第2部で準推選を受け、フジフイルムスクエア(東京都港区)で合同展示を開催したほか、東京で個展を4年連続で開いている。

 発行元は和歌山の出版社「道音舎(みちおとしゃ)」。同社の社長・北浦雅子さんは「地方の出版レーベルとして『土着』というテーマにこだわっている。柴田さんの写真は、その土地に生きる人だけが見ている風景の深層が写し取られている」と話す。「今でも心が揺さぶられているよう」とも。

 同写真集は2017年に開催した個展「津軽再考」の写真を中心に昨年開いた「視界不良」と未公開写真を追加した全112ページ。サイズは28.2×22.4センチ。印刷は「サンエムカラー」(京都府)。北浦さんは「『サンエムカラー』は色を表現する技術力が高く、日本屈指の印刷技術を持っていると思う。作家やデザイナーの希望をかなえようとするプロフェッショナルな職人意識は尊敬している」と話す。

 4月11日に100部限定の先行予約販売を行ったところ、半日で完売した。4月に台湾で開催されたフォトアートフェアでは発刊に間に合わなかったためダミーの写真集を展示したところ、「白と黒の階調が美しい」と、1人で3冊予約する人もいたという。フランスのギャラリー・書店からもすでに予約が入っており、北浦さんは「広く世界に向けて旅立っていく写真集になるのでは」と話す。

 柴田さんは「ネット全盛の現代において、紙媒体というのは非常に消費されづらいが、それでもデータと違い形として残すことができる写真集は長い時間を経ても広く誰かに見てもらえる利点があり、意義があった。この写真集には誰しもが美しいと思えるような写真は少ないと思うが、写真は時間が経過するにつれて記録としての側面が色濃くなるもの。撮り続けている間に無くなっていった景色がたくさんあった。自身の表現というより『時間』を本の中に閉じ込めた感覚」と話す。

 価格は6,800円(税別)。弘前市内では、ジュンク堂弘前店(弘前市土手町)で取り扱う。

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