弘前の禅林街近くにある月峰院(弘前市西茂森)で3月16日、写真展「家族のかたち」が開催される。
知的障がい者と家族の会として活動する「全国手をつなぐ育成会」(滋賀県大津市)が毎月発行している機関誌「手をつなぐ」で連載する家族写真「家族のかたち」を展示する同展。青森では初開催となる。
主催する合同会社ホープス(弘前市)の毛利可奈恵さんは知的障がいの義弟を持つ。「両親が高齢となり、いずれは夫と一緒に暮らさなければならない。義弟や知的障がいを持つ家族について知らないことが多かった。私にもできることはないだろうかという思いがあった」と話す。
展示する写真は18枚。「さまざまな家族の明るい様子やバックストーリーを紹介するパネルも展示する」と毛利さん。開催場所となる月峰院の住職・大高義昭さんは知的障がいの子どもを持ち、その縁で開催に至ったという。
弘前市が昨年3月31日に発表した「社会福祉の概況」によると、市内在住の知的障がい者は1508人。「家族や関係者を含めると3倍以上の数字になる。偏見や差別があり、知的障がい者を隠す傾向は青森にまだある。それもまた家族のあり方の一つだが、少しでも多くの人に知ってもらいたい」と毛利さん。
「義弟の方が優れているところもあり、障がい者を持つ家族だからかわいそうといった見方を持ってほしくない。人はみんな意味を持って生まれていると思うので、当写真展から一つでも何かを持ち帰ってもらえるとうれしい」と来場を呼び掛ける。
入場無料。開催時間は9時~15時。3月21日まで。