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弘前駅前の履物店「黒石屋」が閉店へ 戦後開業、ブーツ中心に販売

現店主の須藤学さん(左)と母の勢子さん(右)

現店主の須藤学さん(左)と母の勢子さん(右)

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 弘前駅前にある履物店「黒石屋」(弘前市駅前、TEL 0172-32-4983)が現在、12月をめどに閉店の準備を進めている。

学さんの手書きの閉店告知

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 ブーツ約5000点を中心に、運動靴や革靴などをそろえる同店。店主の須藤学さんは「積雪時や農作業用の需要からブーツの取り扱いが多いが、かつては下駄や草履といった日本の履物専門店だった」と話す。

 開業は戦後で、黒石出身の小見つきさんが始めた。小見さんは第二次世界大戦で夫を失い、東京から帰郷し、黒石の露天商となった。下駄などを販売していたという。商売が軌道に乗り始めたころ、弘前へ出店。「黒石のかっちゃ(津軽弁でお母さんの意味)」と親しまれたことから、店名を「黒石屋」に変更したという。

 取引先の一人だった学さんの父・政三さんは1981(昭和56)年、小見さんから黒石屋を引き継いだ。小見さんの一人娘が東京・八王子の青果店に嫁ぎ、青森に戻らないことが背景にあった。勢子さんによると、政三さんは自分の店を持つことが夢だったため、念願の独立だったという。

 小見さんはその後、下駄の鼻緒作りなどを続け、2014年7月に他界。勢子さんは「明るく元気な方だった。『お客さまは逃がさない』との信条があり、私は商売が向かないタイプだから『けっぱれ(津軽弁でがんばれの意味)』といつも応援してくれていた」と振り返る。

 店は1998年にアーケードが撤去されるタイミングで2軒隣の現在の場所に移転。近年は老朽化が課題となっていた。学さんは「今年だけでも水道管が2回も破裂した。閉店を決め、少しずつ告知を始めるようにした」と明かす。

 かつては弘前出身者が東京からスノーブーツを注文したり、医療施設からサンダルなどの大量注文があったりした。大手チェーン店の出店やインターネットでの購入客が増え、「個人商店には厳しい時代。残念だが、仕方ない」と学さん。

 閉店日は明確に設定せず、在庫や閉店作業の状況を見ながらゆっくりと閉店していく予定という。商品は現在、全て2割引き以上で販売(2,000円購入の場合)。学さんは「もともと安く提供しているものをさらに値下げしているため、商品によっては半額以上のものもある」と話す。

 営業時間は9時~18時。

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