弘前市立百石町展示館(弘前市百石町)で9月27日、「出会う 伝える 初女(はつめ)さん展」が始まる。
「食はいのち」という信念で助けを求める人に食事と宿を提供する場「森のイスキア」(常盤野湯段萢)を主宰し、「日本のマザー・テレサ」とも評される佐藤初女さんを後世に伝えていこうと企画した同展。
初女さんは1921(大正10)年青森市生まれ、2016年に亡くなった。悩みの相談や行き場を失った人たちを受け入れたことがきっかけとなり、1983(昭和58)年に自宅を改修し「弘前イスキア」を創設。1992年に「森のイスキア」を開設した。
1995年に公開されたドキュメンタリー映画「地球交響曲第二番」でダライ・ラマと共演したことにより脚光を浴び、「おむすびを食べて自殺を思いとどまった人がいる」といった話から晩年は国内外で「おむすび講習会」を開いた。
会場1階では、初女さんの愛用の品や「森のイスキヤ」にあるテーブルなどを並べる。2階では25人以上のアーティストらによる写真を展示するほか、「地球交響曲第二番」といった映像約10作品を上映する。「私の初女さん」をテーマに一般募集した写真も展示する。
会期中、初女さんゆかりの場所を巡る「初女さんの弘前お散歩ツアー」や、「分かち合いのゆうべ」と題し、ゲストやスタッフとともに思い出話を語り合う場を毎日設ける。
このほか現在は公開していない「森のイスキア」を期間限定オープンする。開館時間は10時~14時。28日はイスキアのスタッフと一緒におむすびを作る体験会を行う。参加費=500円。集会所インドリヤ(TEL 0172-34-6858、9月20日10時~13時のみ)まで要事前申し込み。
同展実行委員会担当者は「功績をたたえるのではなく、初女さんの活動を知らない人や若い人たちに伝えて、自分でもできることを考えてもらう場にできれば」と話す。
開催時間は10時~19時。入場無料。10月1日まで。