「全国高等学校ファッションデザイン選手権大会(ファッション甲子園2018)」が8月26日、弘前市民会館(弘前市下白銀町)で行われた。
今年で18回目を迎える、高校生によるファッションデザインコンテストの全国大会。36都道府県から130校3136点の応募があり、1次審査を通過した32校35点がファッションショー形式の最終審査会に臨んだ。
今年の優勝作品は地元弘前実業高校の「ヤマアラシ」。デザインとモデルも担当した太田祥乃さん(3年)は「黒と白で装飾された羽や針は、エレガントだが攻撃的な強い女性を表現し、針をとがらせ自己防衛するヤマアラシをテレビで見てインスピレーションを受けた。スカートの膨らみなど今朝3時まで調整し、ようやく納得のいく形になった」と話す。
太田さんと共に制作をした山谷琳奈さん(3年)は「前大会で先輩方が準優勝だったため、それを超えなければと頑張ってきた。優勝校として名前が呼ばれた時は涙が止まらなかった」と振り返る。同校が優勝を飾るのは、今回で3度目。
準優勝となったのは五所川原第一高校の「わだば機械さなる」。青森出身の版画家・棟方志功を表現した仮面をかぶり、皮コートの上にパソコンの基板などを貼り付けている作品で、機械に囲まれた現代と青森らしさを掛け合わせたと高い評価を受けた。
デザイン担当の一戸諒さん(2年)は「モデルの選出を担当教員に相談したところ、学校一のイケメンだと川浪隼人さん(3年)を紹介された。作品を着てランウエーを歩く姿は想像以上の完成度だった」と話す。仮面を外し、観客を沸かせた川浪さんは「自分の経験値になればと思い、モデルを引き受けた。仮面をつけているときはロボットのように動き、外した後は人間らしい動きをするようにした」と工夫を見せる。
柴田女子高校の「Plaid」は、988人の来場者によって投票された観客賞と審査員特別賞の2つを獲得。校旗を持ちながらランウエーを歩く姿が印象的な作品だった。モデル担当の松岡詩音さん(3年)は「2つも賞を取れてうれしい」と笑顔を見せる。
審査員の原由美子さんは「細部まで手の込んだ作品が多かった反面、全体として見たときにまとまっていない作品も多数あった。高校生の自分たちが着たいと感じるものを作るのが大切」とアドバイスを送った。