世界自然遺産・白神山地を有した山間にある西目屋で、昨年に引き続き「白神ピークスフード&クラフトフェスティバル2024」が開催されました。4回目となる今回は2年ぶりの冬の開催となり、4日間行います。白神山地や周辺地域の食材を使った食べ物のほか、事前予約制でのこぎん刺しをテーマにしたツアーの開催。初めての実施となる伝統工芸などのクラフト体験も行います。2月10日・11日に開催したイベントの様子をリポートします。
フェステイバルは「道の駅津軽白神 ビーチにしめや」と、隣接する「白神産地ビジータセンターの2会場で行いました。「食」「学」「遊」の3つをテーマに開催し、10日と11日は「食」と「学」がメインとして開催していました。「食」は食べ物がテーマで、白神山地やその周辺でとれた食材や地域に根付く食などを提供。「学」は生活や生業をテーマに、体験を通して学ぶクラフト体験を行いました。「遊」は、次回2月17日・18日に開催となり、白神山地ビジターセンターの「ふれあいデー」と同時開催します。
「食」は、道の駅津軽白神「ビーチにしめや」の屋内外で販売し、屋内では白神山地に関連した食材や加工品などが販売していました。コーヒースタジオ「白神焙煎(ばいせん)舎」では、目屋炭を使った炭焼焙煎での珈琲豆を使用したコーヒーやピザパン、水出しコーヒーを提供。白神ワイナリー&白神生はちみつショップ「BeFavo(ビファーボ)」では、白神生はちみつをトッピングできるソフトクリームのほか、生シードルを缶に詰めて自身で蓋をする体験販売をしておりました。冬の西目屋の特産品「目屋豆腐」は、いつもより多く商品を用意していましたが、両日共に午前中の早い段階で売り切れるほどの人気です。
建物入り口には西目屋を拠点にスイーツの製造や販売をしている「ジョージのおやつ」が、タルトケーキやカヌレなどを販売。「襷(たすき)」では、郷土料理のけの汁や、アップルパイなどを具材に取り入れたおやきを販売していました。
屋外では、さまざまな出店がありました。西目屋で捕獲したクマ肉をマタギ文化の残る西目屋村で数年前から販売を行う「白神ジビエ」。今回は、使ったクマ肉串焼きとクマ鍋が提供。クマ肉は独特の臭みをなくし、多くの方々に楽しんでいただけるよう、一度加熱処理を行った後食材として利用しているそうです。
ほかにも、日本海で採れた魚介類を販売する「鶴田漁業」では、海鮮がゴロゴロ入った焼きそばや、珍しいヒラメのフライ、冬が旬のタラ鍋を提供。桜チップなどを使った燻製品を販売する「燻製(くんせい)やトパーズ」では、燻製のナッツやマヨネーズのほか、厚切りで食べ応えのあるスモークベーコンを提供しておりました。
「学」は、「白神山地ビジターセンター」と道の駅内コーヒースタジオ「白神焙煎舎」でクラフト体験を行いました。白神山地ビジターセンターでは、クマの皮を使い、自分の好きな文字や柄を打刻するワークショップ、塗り物が施された木製のスプーンを、自ら研ぎ出して好きな紋様に仕上げる津軽塗の研ぎ出し体験、レジンを使ったスノーマンキーホルダー体験を行いました。コーヒースタジオではりんごの木の枝を原料とした目屋炭を使い、温度を調整しながら煎る珈琲豆の炭焼焙煎体験や、りんごの木を芯に使用し、りんごの香りのするアロマキャンドルと組み合わせた炭キャンドルの製作体験を提供。
イベント初日には、道の駅津軽白神オリジナルのモンベルこぎん柄クリマエアマフラーが2年ぶりに再発売しました。こぎん柄のワンポイントが施された同商品は、利用客などの強い要望から再販売が求められていました。オープンと同時に訪れた購入客が多くいて、用意した半分以上がすでに売り切れています。
今回のイベントでは、2月10日・11日は白神山地周辺や地元料理などの「食」と、炭体験や津軽塗などの地元工芸クラフトの「学」が開催され、2月17日・18日は「食」と冬の遊びやアクティビティが楽しめる「遊」があります。白神山地の暮らしや文化体験、恵みを大切にした「白神ピークス」の残り2日間に足を運んでみてはいかがでしょうか。
※2月17日・18日のアクティビティ体験が雪不足により一部変更となりました。詳しくは公式サイトよりご確認ください。
白神山地と人の長い長い関わりの歴史の中で食べられ使われてきたものが、あるものは昔のまま、あるものは研ぎ澄まされ、あるものは再解釈され混在する西目屋村。白神の恵みを味わい・学び・楽しもう!