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【青森りんご検定】リンゴ農家にも難問?「どうしてこんな問題を作ったの?」と主題者に聞いてみた

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りんご検定の問題

「次の3つのうち、『陸奥(リンゴの品種)』はどれとどれ?」
3つのリンゴの中に同じ品種があるとは思えないし、そもそも陸奥という品種が分かりません。このようなリンゴに特化した難問が出される「青森りんごWEB検定(以下、りんご検定)」。8月下旬にインターネットで公開されると話題を集め、すでに全国1万人以上の挑戦者が現れました。仕掛け人の青森県りんご対策協議会にお話を聞いてみました。

リンゴの激ムズ問題が生まれた理由

――りんご検定とはどんな検定なのでしょうか?

里村さん りんご検定は、基礎編と超上級編の2種類のレベルがあります。基礎編は全50問で40問以上の正解であれば合格となりますが、超上級編は100問全問を正解しないと合格にはなりません。そればかりか1問でも不正解となると、先に進むことすらできないという超難解な試験になっています。

担当者の里村桃子さん。毎日リンゴを食べるほどリンゴ愛が強い担当者の里村桃子さん。毎日リンゴを食べるほどリンゴ愛が強い

――なぜこのようなレベルの高い試験を作るようになったのでしょうか?

里村さん 当会は青森りんごのPRが事業の一つです。話題作りが第一ですが、普段からリンゴに慣れ親しんでいる青森県民は「リンゴを見た目だけで品種を当てられる」とか「皮を剥いたリンゴを食べて品種を当てる“ききリンゴ”ができる」という都市伝説のようなものが以前からありますので、「りんご検定」を作ったらたくさんの方が受検してくれるのではと考えました。

実は当初、級分けが無く、超上級編の問題をスタンダード版として作っていました。…ですが、問題が完成し、内容に間違いがないかをチェックしてもらうため、青森県のりんご研究機関に確認してもらったり、当会の人間に解いてもらったりしたところ、「こんな難しい問題を誰が解けるの?」となりまして…。ちょっと弱気になり、問題の難度を少し下げました(後半の問題は選択肢は5択でノーヒントになっていたという)。

さらに、いろいろ考えている内に「こんな真面目で難しくて問題数の多い検定、ひょっとしたら受検者数が一桁とか散々な結果に終わるのでは…」とますます弱気になり…。急きょ、後付けで「基礎編」を作り、最初に作っていた問題は「超上級編」とすることに落ち着きました。結果、幅広い層に楽しんでもらえているので、級分けは正解だったと思います。

当初は基礎編を作っていなかったという当初は基礎編を作っていなかったという

――検定は以前から考えていたのでしょうか?

里村さん 当会では青森りんごのPRだけでなく、県民向けにリンゴに関する教育や関心を高めていただくような取り組みに力を入れてきました。小学生向けに品種が分かる下敷きは、当会が県内外で行っている食育活動の中で主に配布しているもので、度々テレビやネットなどで話題となっています。今回のりんご検定はその取り組みの一つと言えます。

青森県民であれば誰もが持っている?とうわさがあるリンゴの下敷き青森県民であれば誰もが持っている?とうわさがあるリンゴの下敷き ※下敷きの販売や個別提供は行っていない

りんご検定のアイデアは以前からありました。検定のスタイルをウェブ公開とし、どなたでも何度でもチャレンジすることができる形式にした意図は、コロナ禍となり、人を集めることが難しい状況の中、ウェブやSNSを通して公開した方が、共通の話題で盛り上がることができるのではないかと思ったからです。

また、「青森に帰りたいのに帰ることができなくて切ない」といった県出身の県外在住者の声を耳にしていたこともあります。「これぞ青森」といった感じの青森感満載の検定で、県外にいる青森県出身の方々にも青森の楽しい話題をお届けしたいなと思いました。

――実際どのくらいの人たちが挑戦していますか?

里村さん おかげさまで8月19日のリリースから基礎編は5233人、超上級編には8469人の挑戦者がいます。挑戦者は全都道府県にわたり、青森県がもちろん一番多いエリアではありますが、沖縄や九州からもいます。合格者はそれぞれすでに1562人と136人もいる結果となっています。(9月16日午前現在)

青森りんご検定 統計データ(青森りんご公式サイトより)

――挑戦者からはどのような声がありますか?

里村さん 「なんとか合格するぞ」「2回目で合格できました」といった合格に向けて何度も続けているような反応が増えています。青森県内だけでなく県外の人も挑戦していることは、企画した身としては、ありがたくうれしい限りです。また、この検定はただおもしろがるだけでなく、青森りんごのことを知る機会になることも狙いであります。

基礎編では正解不正解に関わらず、問題の解説を提供していて、青森りんごの知識を得ることができ、誰かに話したくなるような豆知識をたくさん用意しています。超上級編は敢えて全問正解しないと解説が読めない仕様になっていますが、時期を見て、全問題の解答解説を公開するつもりです。

基礎編では解答後に詳しい解説があるが、超上級編は全問正解後に解説があるという

――最後にこれから挑戦する人や現在挑戦中の人たちにメッセージをお願いします。

里村さん 青森県民のみなさまには、この機会に青森りんごについて改めて学び、さらに見識を深めてみてはいかがでしょうか? 県外の人たちには、ぜひこの機会に検定挑戦を通して青森りんごのことを知ってもらいたいです。そして、検定を受けて青森りんごを食べたくなっていただけたらうれしいです。

――本日はありがとうございました。

全国からりんご検定にチャレンジする声

――ですよね。初めて知ることばかりでした。

――問題の読み間違いはもったいない。受験時代を思い出します(笑)

――4分の1でもすごいです。

――ホント難しすぎる。同じくむきになってしまいます。

 

Twitterプレゼントキャンペーン実施中!

基礎、超上級、それぞれで合格した際に表示される「合格認定証画面」のスクリーンショットを、『青森りんご検定合格』のハッシュタグをつけて、投稿していただくだけで。抽選で、青森りんごとレアグッズの詰め合わせが40人(基礎編20人・超上級編20人)に当たります。

応募期間 2021年9月30日まで
商品内容 青森りんごレアグッズ詰め合せ+旬の青森りんご5kg(りんご生産者の場合のみエコバッグに変更可能)

プレゼント一覧

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りんご対策協議会とは?

70年以上の歴史がある非営利団体で、青森りんご産業の振興・発展をはかるため、国内外における宣伝や広告、販売計画の策定などのマーケティング活動を行う。活動はPRだけでなく、教育現場での食育や大学機関との連携、スーパーなどの売り場を使った販促活動や企業とのコラボといった多岐にわたる。海外でも展開し、青森りんごの主な輸出先である台湾、香港では、国内でのPR活動と同等またはそれ以上の規模でプロモーションを実施。昨年度からは、タイでの活動も始めている。

青森りんご公式サイトではリンゴの豆知識や青森県内の観光スポットの紹介、青森りんごに関する歴史やデータなどの情報を公開。新キャラクター「青森りんごけんこうアップル りんGOファイブ」は10月1日から青森りんごのPRで活躍する。

青森りんごけんこうアップル りんGOファイブ10月から青森りんごのPRのため、展開する「青森りんごけんこうアップル りんGOファイブ」

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