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弘前の老舗和菓子店いなみやがリニューアル-津軽銘菓「バナナ最中」の元祖

バナナの形を模した最中の皮を特注で使用。県外在住の市民にも、思い出の味として愛される

バナナの形を模した最中の皮を特注で使用。県外在住の市民にも、思い出の味として愛される

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 100年以上の歴史を持つ「いなみや菓子店」(弘前市富田、TEL 0172-32-0667)が、5月に店舗をリニューアルした。

明治時代の創業から100年以上変わらぬ味を守り続ける「いなみや菓子店」。リニューアルした店舗には駐車スペースも

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 同店の創業は1906(明治38)年。津軽や北秋田地方で親しまれている銘菓「バナナ最中」発祥の店で、1913(大正5)年に2代目当主の稲見興次郎さんが苦心の研究の末、開発したという。

 現在、4代目当主を務める稲見茂男さんによると、当時弘前から大阪まで汽車で移動中だった興次郎さんが、車内である紳士からバナナをもらったことがきっかけとなった。初めて食べるバナナの甘みに感動し、これをお菓子にしたいと考えた興次郎さん。当時、バナナは貴重品で庶民の手に届くものではなかったが、これを気軽に食べてほしいと願ったという。

 「バナナ最中は、実際にバナナを使用しているわけではない。香料を餡(あん)に混ぜて、バナナの風味と甘みを再現している」と話す茂男さん。その香料の製造法は秘伝であるという。

 茂男さんは昨年まで18年間、都内の和菓子店で修業し、今回の店舗リニューアルと同時に弘前に帰郷。4代目を継いだ。「久しぶりの弘前での生活にまだ慣れていない。長年、市民に愛され続けてきたバナナ最中の味を守るためにも、まずは一年を通して弘前の風土に溶け込めるようにしたい」と話す。現在は3代目の父・孝嘉さんと一緒に毎日、朝の仕込みに励んでいる。

 同店では、バナナ最中(125円)をはじめ、栗まんじゅう(110円)、チョコレートまんじゅう(115円)などの菓子をそろえている。

 営業時間は8時30分~19時。

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