青森・西目屋村の白神山地ビジターセンター(西目屋村田代)で5月27日、竹のオブジェ「ナスラー」が完成した。
200本のモウソウダケで作られた長さ24.8メートル、直径4メートルの同オブジェ。福島第1原発の事故から出たごみを食べて大きくなり、放射能から人々や環境を守る怪獣の姿をイメージしたという。
2014年に栃木県那須町の東北自動車道那須インターチェンジ近くの林に誕生したが、2015年3月に羽化してどこかへ旅立ったといわれていた。世界自然遺産・白神山地のある同村に自然を守るシンボルとして降り立ったという設定。
製作者の向井勝實さんは青森県東北町生まれ、那須町在住。世界各国で彫刻作品を残しているが、「自分のことをアーティストや芸術家と考えたことはない」と話す。県内でも10以上の市町村で野外彫刻を残しており、「変わった男が何か作っていったと居酒屋などで話題になればうれしい」と笑顔を見せる。
向井さんは5月12日に同村に入り、「ナスラー」の制作を始めた。那須町で作った「ナスラー」と同じで20メートルを考えていたが、「西目屋から24.8という語呂を思いつき、前後2.5メートルほど大きくし、成長したナスラーの姿となった」と笑う。
同村では今後ライトアップ企画を予定しており、向井さんも「雪が積もれば面白い形になるのでは」とさまざまな見え方に期待を寄せる。展示は現在、2年間を予定し、「またそのうちどこかへ羽ばたいていくかもしれない」とも。