弘前大学病院(弘前市本町)に入院している西谷壮平さんがフェイスブックに投稿したメッセージが、ネット上で注目を集めている。
メッセージの内容は、西谷さん自身の病気に関するもの。4月17日早朝に投稿したところ、フェイスブックで600以上シェアされたほか、英訳もされて海外からも反応が出始めているという。西谷さんは「中には講演会でお話を聞くような雲の上の方にもシェアしていただき、大変恐縮している」と話す。
拡張型心筋症と腎不全を抱える西谷さんは現在、心臓にペースメーカーを装着し、人工透析を1日5回行っている。西谷さんによると、治療には臓器移植しか方法がなく、当初は先に腎臓移植を行う予定だったが、心臓の状態が悪化し血圧が低下している状態では移植した腎臓が機能しない可能性が高いため見送った。
心臓の移植は心臓以外の臓器に重症疾患がある場合、施術することが許されていないため行うことはできず、現時点では心腎同時移植という方法しかないが、現在の日本では心臓と腎臓の同時移植は認められていないという。
東京でシステムエンジニアとして働いていた西谷さんは2008年から症状が悪化し弘前へ帰郷。地元のIT会社に勤めたが2年前から入退院を余儀なくされるようになった。
「根本治療は今の日本の医療環境では難しいと十分に理解しているが、後になって『こんな治療法あったのに』といった方策が分かり、後悔することだけは避けたい」と西谷さん。「対症療法を続けながらやりたいことを見つけ目標もできた。そんな矢先に再び入院し、さらに血液透析まで必要となり、不安というよりわらをもつかむ思い。SNSを活用して、みんなの情報を集めたい」と話す。
西谷さんの下には現在、いくつもの返答メッセージが寄せられているという。「どの情報も非常にありがたい。ネットであれば世界中の情報を集めることができるので、どんな小さな情報でも、情報があればぜひお教えていただければ」と呼び掛ける。