弘前公園(弘前市下白銀町)で2月26日、剪定(せんてい)した桜の枝の無料配布が行われた。
弘前市公園緑地課の主催で毎週金曜日、5回にわたり行う同企画は2007年から始まり、今年で10回目。同課職員の海老名雄次さんによると、桜の枝を市民に配布する自治体は全国的に珍しいといい、桜が咲く5月の青森では春を先取りする風物詩として定着しつつある。「昔はそのまま処分していたが、水にさすと2週間ほどで花を咲かせることから、市民の間には枝を求める声があった」と海老名さん。
同園の桜は、「桜守(さくらもり)」と呼ばれる樹木医を中心としたメンバーによって管理されており、2月下旬ころから3月にかけて剪定作業を行う。桜と同じバラ科のリンゴの剪定技術を応用していることから「弘前方式」とも呼ばれ、視察に訪れる団体が全国各地からあるという。
今年は2月19日から始まった剪定作業は、1日20人ほどで約1カ月半かけて2600本の桜すべてに行う。「今年は花芽を食べる野鳥『ウソ』の被害が少なく、つぼみを確認したところ、咲き具合はよく、2年前と同じ規模の桜が期待できる」と海老名さん。
2月26日8時30分から始まった配布会には、マイナス4度の寒さの中、地元民ら約200人が並んだ。8時から並んだという50代女性は東京在住の弘前出身者。両親の様子を見るため帰省していた所、配布のニュースを知ったという。「日本一の弘前の桜を東京に持ち帰って咲かせたい」と笑顔を見せる。
配布は3月4日・11日・18日・25日も行う。時間は8時30分~。無くなり次第終了。