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弘前で80年続いた「小山内冷菓」が閉店 「バナナアイス」、ファンの聖地にも

閉店した小山内冷菓

閉店した小山内冷菓

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 弘前の老舗アイス店「小山内(おさない)冷菓店」(弘前市駒越)が9月30日、閉店した。

アイスの棒に使った焼き印

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 80年近く営業し、「バナナアイス」など創業当初からの製法で作る氷菓や袋に入ったジャンボアイスで知られる同店。今年7月10日にインスタグラムで「今年をもちまして閉店させていただくことになりました」と発表していた。

 3代目店主の小山内潔さんによると、発表後、多くの客が訪れ、遠くは鹿児島からの注文があったという。閉店は当初、9月中旬を予定していたが、客足が続くことから9月30日まで延長することを決めた。

 戦後、小山内さんの祖父が始めた同店。小山内さんによると、当時は行商アイスの拠点となり、青森県外まで売り歩いた人もいたという。小山内さんが店に立つようになったのは1980年ころ。高校卒業後、東京で働いた経験はあったが、20代でUターンして店を引き継ぐことにした。1993(平成5)年のテレビ取材を皮切りに多くの取材を受けるようになった。2012(平成24)年には俳優の故三浦春馬さんが主演したCMの舞台になったことでファンの間で聖地化が進んだ。ツアーを組み団体で訪れるファンもいたという。

 閉店に当たり、小山内さんが店を片付けていたところ、アイスの棒に使っていた焼き印が見つかった。小山内さんは「私がやり始めたころ、アイスは1本30円で、棒に30円と焼き印を押していた記憶がある。今は100円以上に値上がりし、コンビニのアイスや新しいアイスが次々と開発され、アイスの事情も大きく変わった」と振り返る。

 店は閉店したが、在庫分のアイスの販売は続ける。小山内さんは「店の奥に住んでいるので、声をかけくれれば在庫分は販売できる。生産はしないので、在庫がなくなり次第終わる」と話す。「第二の人生を頑張りたい」とも。

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