
ゲームを企画運営する会社「ウィットワン」(東京都江東区)の弘前営業所が5月1日、弘前公園近くに開設した。
同所の所長・山口由香利さんと副所長・健太さんは夫婦で5月7日に弘前へ移住した。2人の移住に合わせ、ウィットワンでは弘前営業所を開設。2人はリモートワークを行いながら、弘前での新規事業の立ち上げを担当する。
由香利さんは弘前出身で高校2年から留学し、東京でウィットワンに就職した。佐賀出身の健太さんも上京し、ウィットワンでゲームのサポート業務を担当していた。2人が弘前への移住を考え始めたのは2024年ころから。「弘前の知っている店が閉業するニュースを聞く度に、弘前のために自分の経験や能力が何かに生かせないかと考えるようになった」と由香利さん。
東京の生活に飽きて田舎暮らしには慣れていた健太さんは、由香利さんから弘前移住の相談を受けた際、抵抗はなかったという。2人は会社にかけ合い、弘前営業所の開設に至った。由香利さんは「会社に1年かけて提案を続けた。社長にも青森との縁があったことも弘前営業所開設の後押しになった」と振り返る。
由香利さんは、JR弘前駅ビル「アプリーズ」内にある土産店「弘前物産パルシー」社長の長女で、今年1月には同店のオリジナルキャラクター「弘前ルーシィ」を創作した。健太さんもプロデューサーとして加わり、グッズの開発やSNSの運用を始めた。アクリルスタンドは1週間で売り切れるなど、認知を少しずつ広めている。
冬の生活を心配しつつも夏の過ごしやすさをすでに実感しているという健太さんは「弘前でキャラクタービジネスを展開できれば」と意欲を見せる。由香利さんは「今秋には弘前好きのオーストリア人社員が弘前に移住する予定。弘前営業所を大きくしていくことはもちろんだが、弘前のファンを増やしていきたい」と話す。