
最勝院(弘前市銅屋町、TEL 0172-34-1123)が4月12日、宿泊事業を始める。
最勝院は日本最北の五重塔である「最勝院五重塔」(国重要文化財)を持ち国指定史跡「弘前城跡新寺構」にある真言宗智山派の寺院。境内には本堂のほか、護摩堂や如意輪観音堂(六角堂)、鐘突き堂などの建物がある。
宿泊すると、閉門後の夜間に行っている五重塔などへのライトアップを境内側から見られるとアピールする同寺院の宿泊棟には、プライベート性に配慮し専用出入口を設置。宿泊客には、六角堂や五智如来堂、階上を除く五重塔などの内部を特別公開するほか、月輪観(めい想)や護摩祈願の体験希望にも応じる。境内での飲食も可能。2026年以降には五重塔階上への案内も始める。
弘前市はインバウンド(訪日客)の誘致や地域観光の振興を狙い、歴史的建造物を活用した「分散型ホテル」構想の実現を目指している。同寺院でも2022年から市などと連携してモニターツアーを行うなどして、寺院に泊まって日本の文化や歴史を体感する「寺泊(てらはく)」商品の開発に取り組んできた。
同寺院住職の布施公彰さんは「日本らしさ、和の雅に存分に触れ、宿泊者だけの絶景を味わってほしい。ライトアップされた境内の散策は一生の思い出になるはず。寺泊を通じて弘前の素晴らしさを感じてもらいたい」と話す。
宿泊は1日1組(2~3人)限定。宿泊料金は1泊2人=19万8,000~27万5,000円。