弘前のワークスペース「SHIFT」(弘前市百石町、TEL 0172-34-9710)で2月9日、テレワーク事業「青森小惑星群計画」のオープニングイベントが開催された。
NPO法人「あおもりIT活用サポートセンター」を中心に県内の市町村や大学、IT企業など15団体が参画する同事業。総務省の平成29年度ふるさとテレワーク推進事業に採択され、テレワーク環境を中心に整備。同会場となるSHIFTを改修したほか、「Gravity CO-WORK」(青森市古川、TEL 017-718-0207)を新設した。
SHIFTは45坪の広さに12席程度の座席を確保し、Gravity CO-WORKは25坪の広さに12席の座席を用意する。どちらもインターネット環境を無料で提供し、貸し会議室(レンタルスペース)として利用できるほか、今後、コピー複合機の利用やプロジェクターの貸し出しサービスも行う予定。あおもりIT活用サポートセンターの本田政邦さんは「地元クリエイターやIT系移住者の利用を積極的に受け入れる」と話す。
オープニングイベントでは、同センター理事長の大浦雅勝さんが事業目的を説明。「青森の課題は人材と技術の不足だったが、テレワークの推進によって解消される。これからは人が企業についてくる時代。今後、東京にある企業は人材を地方に送るが、支店という形で手放さない時代がくる」とあいさつした。
総務省東北総合通信局の星野哲雄さんは2016年にイギリスで開催されたロンドン五輪を例に挙げ、「開催に当たりロンドン市内では交通混雑が予測され、市内の企業の約8割がテレワークを導入した。日本も2020年の五輪開催に向けてテレワークを導入していく」と話す。
基調講演では、元マイクロソフトの森本登志男さんが登壇し、佐賀県庁の取り組みなどを紹介。テレワークの実情を解説した。「工場誘致による仕事の創出ではなく、今後はサテライトオフィスなどの誘致によって人と仕事を東京から持ち込むことができる。地方である青森にこそ、その可能性があるのでは」と話す。
2施設はプレオープンの後、4月から一般利用客の受け入れを行う予定。