弘前のライブハウス「弘前Mag-Net(マグネット)」で9月16日、オープン20周年を記念したライブが開催される。
1990年初頭まで営業していた映画館「オリオン座」の物件を活用した同店。店主で不動産業を営む大川誠さんは「映画館の活用を相談された時、私自身が音楽を好きだったこともあり、ライブハウスとしての利用を思いついた」と明かす。
20年を振り返り、さまざまなアーティストが訪れたという。大川さんによると、ミッシェル・ガン・エレファントがライブを行う際、床が抜け落ちてしまう恐れがあったため、床下に支柱を入れて補強したといい、現在も支柱は使われている。ステージ奥には映画館のスクリーンを残してあり、弘前出身の現代美術家・奈良美智さんが自身の作品を映写しながらDJを行ったこともある。
「青森出身のamazarashi(アマザラシ)はデビュー前、当ライブハウスで活動していた」と大川さん。「ライブハウスは、コンサートホールやアリーナ会場と違い、客と演者とがコミュニケーションできる場所。生の音楽は感情に訴えかけるものあり、人を育てる場所でもある」とも。
店長の高取宏樹さんは大学時代から通い、自身もバンド活動で使っていたという。「大学卒業後から店長を務めている。最近では県外からレコーディングのために使いに来られたり、ベスト盤のジャケットに当店でのライブ写真が使われたりすることもある」と笑顔を見せる高取さん。「まだ20年。これからも音楽を発信する場として残していきたい」と意気込む。
20周年記念ライブは11月まで全5回にわたり開催する。初日は、北海道・札幌のハードコアバンド「SLANG(スラング)」、東京のハードコアバンド「IDORA(イドラ)」、弘前のパンクバンド「S.P.NPOWER」、青森のハードコアバンド「kallaqri」が出演する。
10月14日・15日は「At The Local」と題し、地元で活動するバンド20組が出演する。10月29日は、eastern youth(イースタンユース)によるワンマンライブ「~極東最前線/巡業2017~おれたちのSONGentoJIYU~」、11月2日は弘前出身バンド人間椅子によるリリース記念ワンマンツアー「異次元からの咆哮(ほうこう)」、11月12日は映画「SHIDAMYOJIN」を上映後、遠藤ミチロウさん率いる民謡パンクバンド「羊歯明神(しだみょうじん)」とタテタカコさんによる記念ライブを行う。
初回ライブは18時開演。チケットは、前売り=2,500円、当日=3,000円(以上、ドリンクチャージ料別途=500円)。