弘前の天台宗寺院「袋宮寺(たいぐうじ)」(弘前市新寺町)本堂で6月20日、観音護摩供養が行われた。
護摩供養が行われた袋宮寺。「お化け屋敷なの?」といった子どもの声もあった
青森県内最大の木造仏で県指定重要文化財の「十一面観世音立像」を本尊に祭る同寺。
この日は本尊の縁日法要として、住職と地元の近隣寺院から集まった5人の僧侶が、家内安全や無病息災などの願い事が書かれた木を焚(た)き上げる護摩供養を行い、地元住民らが参拝した。
同寺住職の小林伯裕さんによると、高さ6.15メートルの十一面観世音立像は東北地方では珍しく、地元住民から「背高(せたけ)観音」の愛称で親しまれているという。開眼は1677(延宝5)年。明治時代までは津軽藩主の菩提(ぼだい)寺だったため、一般非公開だったという。
子どもと散歩の途中で立ち寄ったという40代男性は「隣接する弘前高校出身で市内にずっと住んでいるが、見たことは初めて。宵宮(よみや)の合図を聞き入ってみたが、こんな仏像があったとは。まだ知らないことがたくさんありますね」と笑顔を見せていた。