弘前大学の学生らが制作した動画「ずるい街、青森県」が2月5日、全国の観光PR動画を集めた映像コンテスト「観光映像大賞」で「旅もじゃ賞」に輝いた。
全国各地の観光プロモーション映像の中から、アジア最大級の国際短編映画を決める「観光映像大賞」は今年で6回目。
青森県庁が主催する「AOMORI Media Labo」は、青森県の魅力や暮らしについて情報発信を行う地元の大学生向けプロジェクト。5人の学生らが約3カ月間で動画の企画から撮影を自ら行い、プロの監督からサポートを受け完成させた動画を応募していた。
同作品は、2016年8月10日にYouTube上で公開され、再生回数は5万回を超えた。撮影は弘前を中心とした津軽エリアで行われ、「カフェ・ジーバ」(弘前市土手町)や「ヘアメイクK-TWO」(弘前市駅前町)といった弘前の店舗も撮影に協力。青森県を「都会らしさ」と「田舎らしさ」という両極端の視点から捉えるという斬新な発想が評価され、受賞につながった。
撮影に協力した小田切翔太さんによると、動画の企画は、採用されなかった案も合わせると20個以上にもなったという。「Google Android」のCM制作を行った経験を持ち、総合監督を務めた藤代雄一朗さんは「カメラの位置など細かく調整したが、学生たちの撮りたい絵がハッキリしていたため、対等な立場で撮影できた。良い結果を求めて共に作れたので、みんなが胸を張れる作品になった」と振り返る。
弘前大学教育学部4年の小野悠さんは「『青森県には何もない』と言う若者に向けて、もっと地元を見つめてほしいとのメッセージを込めた。受賞したことで、その思いが視聴者に届いていることを実感し、うれしく感じている」と笑顔を見せる。