青函トンネルを走るJR在来線定期旅客列車の運転終了に伴い、弘前大学の学生らから現在、別れを惜しむ声が上がっている。
北海道新幹線の開業に伴い、3月21日に運転を終了したのは、青森駅-札幌駅間を結ぶ夜行列車・急行「はまなす」と新青森駅-函館駅を結ぶ特急「白鳥」「スーパー白鳥」。
「定期旅客列車は、北海道出身者が約3割を占める弘前大学の学生らにとって主な帰省手段だった」と話すのは、同大学内にある「SHAREAたびshop」店長の早川桂さん。「学割が適応され、多くの学生が愛用していたが、帰省する機会も減ってしまうのでは」と話す。
早川さんによると、札幌駅までの運賃は「はまなす」を利用し学割適応で往復1万6,360円。26日以降は新幹線を使うことになり、片道1万円以上の出費になるという。「学生たちの間では現在、青森空港-新千歳空港の飛行機や津軽海峡をフェリーで渡る手段が増えている。こちらは学割も使えず学生たちには大きな出費になる」とも。
北海道登別市出身という弘大生の一人は「帰省中の『はまなす』の車内では同じ学生たちが多く、なんとなく知っている顔ぶれを見るのが楽しみだったが、それもできなくなってしまい悲しい」と肩を落とす。