弘前公園(弘前市下白銀町)に設置された「雪つり」に、今年もえとを中心とした動物などの「頭飾り」が飾られた。
雪つりは、樹木の幹近くに支柱を立て、柱の先端から各枝へ放射状に縄を張り、雪害による枝折れから木を守る作業。今年も同園では38本の木々に雪つりを行い、木々の先端に「頭飾り」と呼ばれるさまざまな動物をかたどった飾りを備え付けた。
公園緑地課の山崎貴穂さんは「(頭飾りは)40年くらい前から始まったのでは」と話す。当時はシンプルな「王冠」という頭飾りをメーンに作っており、代々受け継がれていたという。山崎さんは2010年に同園にある下乗橋の擬宝珠(ぎぼし)が昔はえとをかたどった物だったと知り、頭飾りもえとで作れないかと提案したという。「冬の弘前公園を少しでも楽しんでもらいたかった」と振り返る。
以来、毎年その年のえとを中心にさまざまな頭飾りを、山崎さんを中心に同課の職員たちが製作している。「1つの雪つりには半日かかり、頭飾りは枝に結びつける縄を使っているため、その場で作っていく」と山崎さん。テーマは特になく、それぞれ職員たちが作った物を飾り付けていくという。「クオリティーにばらつきがあるかもしれない」とほほ笑む。
雪つりの頭飾りを撮影していた同市の小田桐啓太さんは「初めて気付いたのは2年前、野鳥の会の探鳥会で公園を散策していた時。会の先輩が雪つりの上の頭飾りのことを教えてくれた。とてもかわいらしく、デザインが毎年変わるのでいつも楽しみにして探しながら歩いている」と話す。
山崎さんは今年、えとにちなみ「見ざる聞かざる言わざる」の3体の頭飾りを作ったという。「弘前公園に来てもらって、ぜひ探してほしい」と呼び掛ける。