ヒロロ(弘前市駅前町)内にある弘前市文化交流館ホールで11月1日、「2015きものの日 時代をつなぐきものショー」が開催された。
フィナーレではステージ上に、和装に身をつつんだ老若男女が集合した。前列左が乘田麻衣子さん
日本の伝統文化を推進する「青森わごころの会」が主催する同イベント。「私(津軽弁で『わ』と読む)・和・輪」をキーワードに活動する同会では、地域における人と人のつながりを日本の伝統文化を通じて広めていくことを目的に、青森県内の小中学校や高校へ出向き、文化講座を開くことで着付けや立ち居振る舞い、ふろしきのたたみ方などのマナーを教えている。
同会会長の乘田麻衣子さんは今回のイベントについて、「タンスの中に眠っている着物を取り出し、自分で着物を着るという機会を、広く弘前市民の皆さまに向けて作りたかった」と話す。これまでは同会メンバーが病院や福祉施設を訪問し、ショーを行っていたが、今回はそうした訪問先の入居者たちを中心に出演を依頼したという。
「年配の皆さんは着物の着付けには慣れているが、足腰が弱っている方も多い。ステージへ上る皆さんを見て『危ない』と感じた方もいらっしゃるはず」と乘田さん。ステージの安全には細心の配慮を払っていたが、同時に「バリアフリーの重要性に気付いてもらうこともショーの目的の一つ」とも。
当日は、白無垢(むく)の花嫁衣装の着つけもステージ上で行われた。乘田さんは「日常では見かけることの少なくなった伝統的な和装を窓口に、人と地域のかかわりの新しい形を模索していきたい」と意欲を見せる。