弘前大学白神自然環境研究会は7月2日、世界自然遺産・白神山地に関わる生物情報を整理したサイト「白神山地植物検索」の開設を発表した。
白神山地とその周辺で記録・発表された陸上植物を検索することができる同サイト。現在のところ、登録している植物は1500種類。それぞれの種には学名や分布情報、咲く季節などの情報を掲載している。「コケ類は秋ごろまでに公開予定。写真などは随時更新していく」と同大助教の山岸洋貴さんは話す。
山岸さんは北海道出身。植物の面白さに引かれ、大学院より野生植物を研究対象にした研究者を目指すようになった。「白神山地は素晴らしい自然環境で、これまで多くの調査が行われてきたものの、それらのデータを集約し活用できる仕組みが少なかった」と山岸さんは感じ、サイトを作るきっかけにもなったという。
白神山地の魅力を「かつて日本列島の多雪地域に普通にあったものがそろっている。現在においてとても意味のあること」と言う山岸さん。「最近新種であることが発表されたフカウラトウヒレンのような発見は今後そう多くはないが、これまで分布が確認されていなかった植物が見つかり、白神山地が新たな産地として加わる可能性はまだたくさんある。このサイトが一助になれば」と解説した。
「現在はまだ『たたき台』のような状態。最終的には一般からでも気軽に情報提供していただけるような『みんなで作る生物図鑑』を目指したい」と山岸さん。「まずは関心を持っていただくきっかけになるようなサイトになれば」とも。