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青森で「成田亨展」 ウルトラマンの原画やマニア心くすぐる仕掛けも

700点以上のデザイン原画やオブジェなどが並ぶ「成田亨 美術/特撮/怪獣」展

700点以上のデザイン原画やオブジェなどが並ぶ「成田亨 美術/特撮/怪獣」展

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 青森県立美術館(青森市安田)で現在、ウルトラマンなどの原画を担当した成田亨さんの企画展が開催されている。

マニア心くすぐる「成田亨展」のフライヤー。全8種類

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 青森県出身の成田さんは1929(昭和4)年生まれ。武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)卒業後、映画「ゴジラ」の撮影現場を手伝ったことをきっかけに特撮シーンなどに携わってきた。「円谷特技プロダクション」と契約し、「ウルトラマン」を中心に特撮作品のデザイン全般を手掛け、1970年には日本万国博覧会の「太陽の塔」の内部に「生命の樹」をデザインするなど彫刻、絵画、デザイン、イラスト、特撮美術と多岐にわたって活躍した。2002年没(享年72歳)。

 「成田亨 美術/特撮/怪獣」と題した同展では、成田さんの作品700点以上を展示する。昨年7月に富山県立近代美術館(富山県富山市)に行われ、2015年1月から福岡市美術館(福岡県福岡市)で開催。同館を最後に「この規模で成田さんの展示会は今後しばらく行われないのでは」と話す学芸員・工藤健志さん。さまざまな仕掛けを用意したと意気込みを見せる。

 フライヤーのデザインは全8種類。一般に配布されるデザインが6種類と、前売り券購入者特典の1種類、会場のみに配布するシークレットデザインを用意した。「全部集めたいという子どものようなコレクション欲を刺激したかった」と工藤さん。「入場券も大人、中高生、子どものほかにもう1種類ある」とも。

 会場デザインにもこだわりを見せる。「鬼は見上げる存在でなければ」と鬼のモニュメント「大江山の鬼」は人の目線より高い場所に展示。「ウルトラマンといえばSF特撮の金字塔」と工藤さん。展示スペース全体をSF的な空間に統一したブースもあり、「すべての展示を見終わった後にも仕掛けがある」とほほ笑む。青森というつながりから、弘前大学に在籍したこともある「機動戦士ガンダム」などのキャラクターデザインを務めた安彦良和さんの漫画原稿も特別展示している。

 5月6日には来場者1万人を達成したという同展。「ウルトラマンを実際に見たことがある世代はもちろんだが、もっと幅広い世代に見てほしい」と成田さん。「一般的にサブカルチャーに分類されてしまうウルトラマンなどの作品を見て、『サブカルチャーと芸術やアートとの違いは?』といった問いを考えてもらうような機会になれば」と来場を呼び掛ける。

 開館時間は9時30分~17時。入場料は一般=1,200円、高大生=800円、小中生=200円。5月31日まで。

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