暮らす・働く 学ぶ・知る

弘前の国重要文化財寺院が支援者募集 「町会管理の限界」訴える

高照神社運営検討委員会の会長の葛西修造さん(右)と宮司の津軽承公さん(左)

高照神社運営検討委員会の会長の葛西修造さん(右)と宮司の津軽承公さん(左)

  • 31

  •  

 高照神社運営検討委員会が7月1日、国指定重要文化財「高照神社」(弘前市高岡神馬野)の修繕に関わる支援者の募集を始めた。

高照神社と高岡集落

[広告]

 高照神社は1712(正徳2)年に建立された弘前藩4代藩主の霊廟(れいびょう)で、地元の高岡集落48戸でつくる町会が所有・管理している国指定重要文化財。同集落では高齢化や担い手不足が顕著となり、草刈りや除排雪などの寺院の維持管理がままならない状態が続いていた。

 同委員会会長の葛西修造さんは「高岡町会は高照神社管理のために神社の門前に配置された9戸の家から始まった300年以上の歴史を持つ集落。当委員会は町会だけでの管理維持が限界になっていたことから、地域外からの協力を得たいと立ち上がった」と話す。

 葛西さんによると、破損や雪害による倒壊などにより、すでに解体した施設もあり、今年の大雪で倒壊した建物もあったという。「現状のままだと被害はさらに拡大するかもしれない」と葛西さん。

 目標金額は600万円。修繕費の自己負担分4,200万円の一部で、総工費は約5億9,000万円を予定している。葛西さんによると、国・県・市からの補助金はあるが、修理にかかる経費の全額ではなく制度上、同委員会が負担する費用は発生するという。

 返礼品は20種類で、3,000円~100万円。非公開の本殿内部を宮司が案内するコースや津軽神楽や神事に招待するものなどを用意する。募集は8月17日23時まで。

 葛西さんは「今年1月の大雪に県外からも除雪のボランティアが集まり、大きな被害を免れた側面があった。皆さまの支援なしでは高照神社は維持できない状況にまでなっている。文化財を後世に残すための私たちの活動を1人でも多くの人たちに知ってほしい」と話す。

弘前経済新聞VOTE

「すじこ納豆」を食べますか?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース