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青森で映画「百円の恋」、出演者らが舞台あいさつ-撮影秘話や創作のきっかけも

満席となったシネマディクトの会場。映画「百円の恋」のトークショー

満席となったシネマディクトの会場。映画「百円の恋」のトークショー

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 シネマディクト(青森市古川)で3月7日、映画「百円の恋」に出演者や監督らによる舞台あいさつとトークショーが行われた。

登壇した新井浩文さん。地元・弘前でのエピソードも語った

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 山口県周南映画祭が2012年に新設した脚本賞「松田優作賞」を受けた足立紳さんの脚本を映画化した同作品。32歳独身で引きこもりの女性がボクシングに打ち込む中年男性に引かれ、ボクシングを始めるというストーリー。主演は安藤サクラと新井浩文さん。監督は「イン・ザ・ヒーロー」などの代表作がある武正晴さんが務めた。

 舞台あいさつとトークショーには新井さんと武さん、足立さんの3人が駆けつけた。同イベントは足立さんと映画学校時代に同級生だったという実行委員会の高橋哲史さんとの縁がきっかけとなった。依頼を快く受け入れた足立さんは、武監督も誘ったという。新井さんは青森県弘前市出身ということもあり、地元での舞台あいさつは「青い春」「赤い季節」に次ぎ今回で3回目となった。

 同イベントの整理券は2月28日より配布を開始したが、用意した150枚が発売開始30分で完売。上映後に3人が登壇すると、満員の来場者から大きな拍手が送られ、3人は深々と頭を下げた。

 武監督は「朝起きて、『今から会えない?』と足立さんに電話したことがこの映画の始まりだった」と振り返る。安藤さんの撮影秘話を話した上で、新井さんには「なるべくボクサーっぽく」といった程度の演技指導しか行わなかったと明かす。そんな簡単な指示にも関わらず、要求通りに演じる役者たちの演技力に驚かされたという。

 足立さんは同脚本を5年前に書いたことや「行き詰まっているときに描いた作品」といったことを紹介し、来場者を驚かせた。映画関係者に売り込んだが、なかなか日の目を浴びることがなかったとも。松田勇作賞への応募については「武監督には黙っていた。結果を残せなかったら恥ずかしかったから」と、その理由をはにかみながら語り、会場の笑いを誘った。

 新井さんは「毒を吐くかもしれませんがよろしくお願いします」と会場を和ませ、撮影時のエピソードを披露した。安藤さんとのベッドシーンでは撮影前に「覚悟して」と言われたことや、ボクサーを演じるために3カ月前から準備したことを紹介。「水抜き」というボクサーの減量方法を実施したときは、長時間の雨の中の撮影シーンで「肌から水分を採っているような感覚があり、周囲は心配していたが気持ちよかった」と話した。

 来場者からの「一番好きなシーンはどこですか」との問いに、武監督は「ラストシーン」と答え、足立さんは「ベッドシーン」と笑う。新井さんは「うちが出ている試合」と答え、会場を沸かせた。最後に武監督は「この映画の感動をなるべく多くの人に伝えて、劇場で見てほしい」と呼び掛け、トークショーを締めくくった。

 シネマディクトでの上映は3月27日まで。

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