「ファッション甲子園2024(第23回全国高校ファッションデザイン選手権)」の最終審査会が8月25日、弘前市民文化センター(弘前市上白銀町1)で開催された。
ゲストトークとして登壇したタレントの王林さんと衣装デザイナー・成田あやのさん
2001(平成13)年に始まった、全国の高校生たちによるファッションデザインのコンテスト大会。今年は34都道府県の95校1147チームから1929作品の応募があり、1次審査で20都道府県の34作品が最終審査会に進んだ。
最終審査会はファッションショー形式で行い、4人の審査員が審査。海外ファッションブランド協会会長が選ぶ特別賞、出場チームの担当教員の投票による賞も含め全9賞が選ばれた。
優勝は、大阪府立泉尾工業高校のデザイン担当・春名姫樺(ひめか)さんとモデルを担当した藤田煌星(きらら)さんの作品「地球(生命の誕生)」。昨年もファッション甲子園に出場した2人は、受賞できなかった悔しさをばねに今年も挑戦したという。春名さんは「名前が呼ばれるまで今年も無理かなと思っていたが、優勝できて泣きそう」と笑顔を見せる。
青森県からは2校3チームが出場し、県立弘前実業高校のデザイン担当・樋川詞美(ことみ)さんとモデル担当のジョセフ サラ瑞希さんの「PAPER LESS」が審査員特別賞に選ばれた。レシートや手紙などの紙を使った洋服で、紙の必要性と再活用できるという素材の良さを伝えるメッセージ性のある作品だった。
表彰式の総評で、審査員でファッションディレクターの原由美子さんは「レベルが年々高くなっており、どの作品も素材へのこだわりや丁寧な手仕事を考えると点数をつけることが難しかった」と話した。同じく繊研新聞記者の青木規子さんは「新しい美意識を感じられるユニークな作品ばかりだった」と評した。