宿泊施設「こもる 五所川原」(五所川原市梅田福浦)が7月14日、オープン1周年を迎えた。
築60年以上の古民家を改装し、「自分の時間を楽しむ」がコンセプトの同施設。全5部屋の客室にテレビはなく、トイレと風呂は共用、アルコール含むドリンクなどのサービスが宿泊料金に込まれるオールインクルーシブで提供する。「うんこミュージアム」のプロデューサーなどで知られる五所川原生まれの香田遼平さんが立ち上げた。
改装した古民家は香田さんの祖父の家で、香田さん自身、1人になりたい時に滞在していた経験が「こもる」を始めるきっかけとなっている。2021年にはクラウドファンディングで開業の支援者を募り、目標金額500万円は達成した。
開業から1年を香田さんは「宿泊業は初めてということもあり、ブラッシュアップする1年だった。ようやくスタートに立てた手応えを感じている」と振り返る。
東京と青森の2拠点居住している香田さんは昨年、青森でテレビ番組のレギュラー出演をしたり地域活性化企業人として地域プロモーションの活動もあったりするなど、さまざまなことに関わる1年だった。香田さんは「知り合いの年配女性から『テレビを見ていたよ』と言われ、地元青森とつながっていると実感できたことが一番うれしかった」と笑顔を見せる。
今年1月に発表したリンゴの搾りかすから作り出したシート材料「Adam(アダム)」も、香田さんの新しい挑戦の一つ。「宿泊業への挑戦は『青森』を題材にした表現の一つ。青森の素材は世界にも通じる良さがある」と香田さん。現在、「アダム」の展示スペースを設置予定で、「こもる」の敷地内にあった倉庫を仲間たちと改修している。
今後の目標について、香田さんは「海外や県外の誘客に今以上に力を入れていきたい。青森の良さをもっと知ってもらいたい」と意欲を見せる。