弘前のチーズ専門店「SHE/SHOCK/CHEESE(シーショックチーズ)」が7月28日~30日、野外音楽イベント「FUJI ROCK FESTIVAL '23(フジロックフェスティバル '23)」に出店する。
元バンドマンという店主の相澤隆司さんが選んだ世界のチーズを販売する同店。2016(平成28)年に創業し、現在は「中三(なかさん)弘前店」に構えたアトリエを拠点に、イベントなどに出店している。フジロックフェスティバルへの出店について、相澤さんは「バンドを続けていた時は、フジロックに出ることが一つの夢だった。チーズ店としてだが、夢がかなった」と笑顔を見せる。
黒石出身の相澤さんによると、高校卒業後に進学のため上京し、バンド活動は2006(平成18)年から始めたという。2009(平成21)年にロックバンド「テアセトマロウ」を結成して2012(平成24)年、「渋谷CLUB QUATTRO」でのライブを最後にバンドは解散した。相澤さんは「25歳までに実績を残すという目標があったこともあり、音楽活動はいったん休業。東京の紀ノ国屋本店に就職した」と話す。
「紀ノ国屋本店」では乳製品部門を担当した。売り上げを3倍にするなどの実績を残し、2015(平成27)年には青森に帰郷した。「地元が好きで、いつか青森に戻りたかったことと、チーズがまだ浸透していない青森という場で挑戦することに価値を見出した」と相澤さん。
「青森で力を入れたことはイベント出店。チーズ需要を増やすため、多くの人に最初に食べてもらうことが必要と感じ、チーズを知ってもらう場づくりに積極的に取り組んだ。店名は試食とチーズのおいしさに驚くという意味を込めている」とも。
フジロックの出店には審査があり、面接では音楽とチーズへの熱意を語ったという。相澤さんは「受かった瞬間は夢のようだった。今でも取り消されるのではないかと夢に見ることがある」と話す。
会期中は「YELLOW CLIFF(イエロークリフ)」会場に出店。ナチュラルチーズの盛り合わせ「フジロックで食べたいナチュラルチーズのアソート」(2,000円)を販売する。
相澤さんは「当日は創業スタッフや昔の音楽仲間にも声をかけ万全の体制で臨む。音楽がある会場で気軽にチーズを食べてもらえるように、私自身も夢の舞台を楽しみたい」と意気込む。