岩木山観光協会が5月22日、ホームページを通じ「嶽(だけ)温泉郷」の営業状況を発信した。
約400年前に開湯し、現在は6軒の温泉宿がある同温泉郷。昨年末に源泉の湯量と温度が下がってしまったことから、冬季に一部の旅館が休業した。岩木山観光協会によると、7月には温泉郷にある6軒すべての温泉宿が営業するという。
営業状況を発信したことについて、岩木山観光協会事務局長の小山伸吉さんは「温泉が枯渇し、休業しているといったイメージはあるが、嶽温泉は営業を続けている。周辺の温泉郷も枯渇しているのではといった問い合わせが届くこともあり、風評被害を少しでも減らしたかった」と話す。
嶽温泉郷にある宿泊施設「縄文人の宿」の寺島大佑さんによると、嶽温泉には4つの源泉があり、各旅館が源泉をそれぞれブレンドして使っているという。「湯量と温度が下がったのは4つのうち一番熱い源泉。異変の原因が現在も分かっていない不安はあるが、他の源泉は問題ない」と寺島さん。
「縄文人の宿」は宿泊客専用施設で、源泉の異変があった後も休業はしていない。寺島さんは「お客さまに湯がぬるいことを伝えると、『温泉だけが目的じゃない』『料理や女将(おかみ)さんたちに会いに来た』といった声をいただいた。大変ありがたい」と笑顔を見せる。
小山さんによると、嶽温泉郷では1950(昭和25)年と1967(昭和43)年にも源泉に異変があり、1969(昭和45)年にはボーリングした記録が残っているという。「嶽温泉固有の湯花がある青白い硫黄泉は健在で、各旅館は4つの源泉を使って試行錯誤で営業している。人によっては泉質の違いを感じるかもしれないが、逆に貴重な機会と面白がる人もいると聞く」と小山さん。
「湯の温度は現在、40度以上となっており、異変前とほぼ変わらない。嶽温泉は暑い季節にもお薦めできるので、足を運んでもらいたい」とも。
岩木山観光協会では今後もホームページで営業状況を発信していくという。