津軽塗ブランド「KABA(カバ)」が11月11日、オンラインショップ販売を始めた。
2019(平成31)年、津軽塗に関わらない異業種が集まり、津軽塗の新しいブランドとして立ち上げた同ブランド。ポップアップショップとしての販売は弘前のほか、東京や仙台でも行っていたが、常設で購入できる場は初めて。
現在のラインアップは、アクセサリーシリーズ「SUCOSi(スコシ)」。「津軽塗を日常で楽しめる」をコンセプトにした商品で、津軽塗の模様を取り入れたピアスやネックレスなど。全て職人が塗った物をアクセサリーに取り入れた一点物となる。
KABAプロデューサーの池田守之さんは「開発の背景には津軽塗の現状がある。若手の職人は津軽塗だけでは食べていけない。次世代を育成するためにも職人がプライドを持って業界で働ける場を作りたい」と話す。
KABAディレクターの葛西彩子さんはギャラリー「CASAICO(カサイコ)」(弘前市城東中央)を経営する傍ら、漆塗り体験の教室を開いたり、自ら作品を発表したりしている。「津軽塗の商品を開発するに当たり、職人との橋渡しが大変と聞き、私にできることならと携わるようになった」と葛西さん。
KABAではこのほか、販促やプロジェクトマネジメント経験者らが加わり、2021年12月には「SUCOSi」を初披露。2022年2月は弘前で初めての展示販売を行った。活動が知られた8月にはユニクロが提供するアプリサービス「UTme!(ユーティーミー)」とコラボした津軽塗をモチーフにしたTシャツの販売も行った。
オンラインショップの立ち上げについて、葛西さんは「ネット販売は以前から要望があり、ようやく開設できた。一点物をどのようにネットで購入してもらうかといった課題はまだあるが、遠く県外の人からの注文がすでにあり、ターゲットとしていた30~40代には届いている手応えはある」と話す。
「津軽塗の魅力も発信できるような常設の販売店や新しいシリーズの開発にも着手していきたい」とも。