弘前大学(弘前市富田)と昆虫食製造販売「TAKEO」(東京都台東区)が6月29日、昆虫を原料とした「トノサマバッタせんべい」の試験販売を始めた。
オリジナルキャラクター「とのさまバッタ」が描かれたパッケージ
粉末にしたトノサマバッタを使い、大成堂せんべい(青森市)が商品化。原材料は青森県産の小麦粉とTAKEOが神奈川で養殖したトノサマバッタと沖縄の塩のみ。技術指導した弘前大学農学生命科学部助教の管原亮平さんによると、トノサマバッタを食料として使った商品は国内初という。
管原さんは「トノサマバッタの粉末配合量の異なるサンプルを当校の学生にも試食してもらい、中でも量が一番多かった4%の物を商品化した」と話す。
菅原さんの研究対象はトノサマバッタ。生態を詳しく研究することで、世界各地で大発生するバッタの問題解決や応用研究として将来的な食糧問題への課題にもつながるという。今回の開発もその一環で2年前から研究を進めていた。
「トノサマバッタせんべい」は、3.5センチ四方の大きさで4枚入りの個包装。価格は390円。パッケージには、弘前出身神奈川育ちという設定のオリジナルキャラクター「とのさまバッタ」を描き、津軽こぎん刺しの縁がある紗綾形(さやがた)を背景に取り入れた。
菅原さんは「エビのような甲殻系の香ばしさがあるせんべい。近年、昆虫食は大手販売店でも取り扱うなど、注目が高まりつつある。味を知ってもらうきっかけになれば」と話す。
販売は「TAKEO」サイトで行う。