弘前市内で12月6日、若手リンゴ農家たちによる「りんご王者決定戦~味の頂点は誰だ!」が開催された。
リンゴの味の良さを食べ比べる同大会。今年で2回目となり、県外のリンゴ農家や農業高校生にも参加を呼び掛け、出場者数が昨年の16人から28人に増えた。主催する釈迦のりんご園(青森県平川市)の工藤峰之さんは「リンゴの消費拡大と農家同士が交流できる場になれば」と同イベントを企画した。「リンゴは作る農家によって味がまったく異なる」とも。
勝負は農家がつくった「サンふじ」という品種のみを使い、試合ごとに選ばれた審査員2人と抽選で選出された来場者3人が食べ比べ、おいしいと感じた方に軍配が上がる。トーナメント式で最後まで勝ち残れば優勝となる。
今年優勝したのは、市民農園ナリタ(乳井)の成田英謙さん。決勝戦では秋田県から参戦したカネキ農園の中村光心と競い、最後のジャッジまでもつれる接戦となった。結果はリンゴ生産地日本一の青森が意地を見せたが、「秋田と青森のリンゴにこんなに違いがあったのかと思うほど新鮮な食べ比べだった」と話す審査員もいた。
成田さんは今年、リンゴの多くをひょう害に遭い、失意の中にあった。ひょうで傷ついたリンゴは市場では価値がなくなってしまうが、それでも成長を続けるリンゴを見守り続けた。「つらい時もあったが、リンゴは販売のメドが立ち、こういった結果を残せてうれしい。皆さまに感謝」と喜びを見せた。