青森の老舗温泉旅館「山のホテル」(弘前市常盤野字湯ノ沢、TEL 0172-83-2329)で2月20日、ドールオーナー限定宿泊イベント「幻想旅館」が行われた。
350年以上の歴史がある同温泉旅館。現在は8代目社長の赤石芳江さんが中心となり、コロナ禍でクラウドファンディングを活用して運営資金を調達したり、動画配信を始めたりし、ファンづくりやプロモーションに力を入れている。
赤石さんによると、常連客の一人であった北海道在住のツイッターアカウント・久遠縁(くどうえん)さんが昨冬に訪れた際、ドールオーナーは撮影に苦心しているという話を聞いたことがきっかけだったという。赤石さんは「当館を貸し切りにし、自由に撮影してもらおうと思いついた」と話す。
久遠さんは「ドールオーナーの多くはドールと一緒に旅行をし、旅行先の風景をドールと一緒に撮る楽しみ方をしている。私もその一人でドールにハマって以来、出不精だったが旅行が楽しくなった。青森はその旅行先の一つだった」と話す。「撮影には気を遣い、人がいない時間や周囲の許可などを得ていたので、こういったイベントはうれしい」とも。
イベントはツイッターで告知したところ、行きたいけど遠いから行けないと九州から問い合わせや他の旅館でやってほしいといった要望があったほか、想定上の反響があったため、今回は10人に限定した。「2夜、3夜と続けていきたい」と赤石さん。
当日は10人の参加者と約30体のドールが宿泊した。参加者らは館内の自由に撮影。同館では温泉での撮影を許可したり、ドール用の御膳を用意したりした。久遠さんは「温泉旅館を貸し切った撮影会は全国でも珍しいのでは。新しいコンテンツになるのでは」と話す。
赤石さんは「当館としては冬の閑散期を活用した企画で、1人でも多くのお客さまがそれぞれの楽しみ方で宿泊してもらいたいと考えている。ドールだけでなく、コスプレや謎解きイベントなど、これからも新しいことに挑戦していきたい」と意欲を見せる。