青森・黒石在住のシンガー・ソングライターの鳴海徹朗さんが2月10日、ニューアルバム「夢をはなれて」を発表する。
鳴海さんは中学からギターを始めたが、音楽活動を本格的に始めたのは29歳で、2011(平成23)年に初めてのアルバム「美しい叫び」を発表。その音源は震災の日の午前中に持ち込んだものだったことを、今でも覚えているという。
「夢をはなれて」は通算4枚目のアルバム。3枚目「銀色の丘」からは4年ぶりとなる。自身の創作スタイルについて鳴海さんは「自分の気持ちを歌にしているわけではなく、自分で見て感じたことを歌い、自分でも気づいていない深層の思いを表現しようとしている」と話す。
「昨年6月にリリース予定で準備をしていたが、新型コロナウイルスの感染拡大もあり、一度できたもののアレンジを大きく変えることにした。コーラスやエレキギターを加え、原点回帰のような仕上がりになった」とも。
収録曲の「瞬き」には滋賀・信楽在住の画家・足田メロウさんにライブペイントを依頼した。実際に歌と一緒に撮影する予定だったが、緊急事態宣言などの影響で楽曲を提供し、音楽に乗せたドローイングを映像にした。そのほか、渡り鳥の声を聞くと自然と空を見てしまう北国の春を歌にした「雪解の花」や津軽海峡の海の深さをテーマにした「鉛色の海」など、全7曲。
タイトルの「夢をはなれて」は、夢と適度な距離を保って、楽しく暮らしているという意味を込めた。鳴海さんは「否定的な意味ではない。一昔前は上京してメジャーデビューしないとCDはリリースできなかったが、今は違う」と話す。
現在のところ、ライブやイベント出演の予定はない鳴海さん。「CDの購入だけでなく、YouTubeやサブスクリプションを利用して音楽を聴くこともできる。自分の曲が青森を盛り上げたり、地域の魅力発信になったりすることは考えにくいが、自分の見た景色を共感してもらえるとうれしい」と笑顔を見せる。
価格は1,700円。弘前市内ではロビンズネスト(大町)、ままごせ(和徳町)で販売。more recordsでネット通販も行う。