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青森・藤崎に丘の上に建つカフェ「SHIZUKU」 夫婦が「夢」を実現

夫婦で切り盛りする佐野桂一郎さん(左)と知恵さん(右)

夫婦で切り盛りする佐野桂一郎さん(左)と知恵さん(右)

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 カフェ「丘の上の木の下のcafe SHIZUKU(しずく)」(南津軽郡藤崎町高瀬)が1月30日、青森・藤崎にオープンした。

「丘の上の木の下の店」のスケッチ

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 2019年3月に開通した前坂藤崎線「白子(しろこ)バイパス」沿いのリンゴ農園の跡地にできた同カフェ。「雫の波紋のようにゆったりとした癒やし空間を広げていきたい」をコンセプトに、佐野桂一郎さんと知恵さん夫妻が開業した。

 佐野さんは高校卒業後、さくら野百貨店に入社。26年間、鮮魚や総菜などの調理を担当していた。「長年の夢だったカフェをやりたいと3年前に決意した。当初は弘前市内でテナントを借りて始めるつもりだったが、妻の実家近くのこの場所で店舗を新しく作って始めることにした」と佐野さん。

 同地は開通した白子バイパスによって飛び地となったリンゴ農地で、建築デザイン事務所「ミズイロアーキテクツ」(藤崎町)に「白い三角屋根の店」と依頼したところ、「丘の上の木の下の店」になったという。ラフ図を見て即決した佐野さんは「まずは平地だった農地に2メートルの丘を作ることから始まった」と振り返る。

 工事は昨年7月からスタートした。土を盛り、店の中央にケヤキを植え、白い瓦や外壁を建てていった。その様子はインスタグラムで随時紹介したところ、話題を集め、店のアカウントはオープン前にも関わらず1400のフォロワーがいた。「白子バイパスは通勤で通る人が多く、すでに来店した人の中には毎朝見てましたという声もあった」と佐野さん。

 完成した店は佐野夫婦の居住スペースも備える。完成した時は「本当にできたとワクワクした」と佐野さん。店舗面積は約10坪。客席数は12席。4席のカウンター席には岩木山がのぞける窓をそれぞれに設置。テーブルには佐野さん夫妻が自ら押したスタンプで遊び心を演出した。

 看板メニューの「地元に伝わるポークステーキ」(1,200円)は、同エリアに住むリンゴ農家らの間に伝わる豚肉料理で知恵さんの実父から教わったもの。ポークステーキサンド、スモークサーモンサンド(以上、500円)のほか、もこもこソフトクリーム(380円)、バニラのふわふわチーズケーキ(400円)、素朴なバスクチーズケーキ(500円)といったスイーツメニューやコーヒー(450円)、「実家の林檎(りんご)ジュース」(300円)といったドリンク、いちごシェイク(600円)なども用意する。

 店は未完成と明かす佐野さん。「看板をまだ設置していない。店先や中庭のケヤキの空間にもベンチを設置する予定。春になれば丘に撒種したクローバーが生えて緑の丘になる。何よりケヤキがこれから大きくなる」と笑顔を見せる。

 開業には多くの人からアドバイスや意見を聞きながら進めていったという佐野さん。「自分たちでは決められず、みなさんの協力で作られていった」と感謝する。「決めごとはあまり作らず、肩の力を抜き、楽しく続けていきたい。テークアウトメニューやスイーツを持ち帰りたいといった要望があるので、早速対応できるようにしたい」と笑顔を見せる。

 営業時間は11時~17時。水曜定休。

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