弘前南高校近くにあるカフェ「ska vi fika?(スカヴィフィーカ)」(弘前市清水、TEL 050-5436-0855)が10月1日、オープン2周年を迎える。
店名の「ska vi fika?(スカヴィフィーカ)」はスウェーデン語で「お茶しない?」の意味。店主の下山有希さんが開業したきっかけになった映画「かもめ食堂」の舞台がフィンランドで、北欧に憧れを抱くようになったことが由来となっている。
下山さんは高校卒業後、弘前で会社員として20年以上勤めたが、「定年後から第2の人生を始めるよりは、もう少し早く第2の人生をスタートしたい」と、独立を考えるようになったという。カフェを開きたいと考えた下山さんは、ケーキやカレーの作り方を飲食店から学び、「成田専蔵珈琲店(城東北)」でコーヒーの知識やドリップの技術を習った。
出店場所は当初、五重塔がある「金剛山 最勝院」(銅屋町)を眺められるテナントを探していたが、条件が合わず、現在の場所になったという。「最終的に店内から岩木山が見られる場所にした」と下山さん。ログハウス調の建物で岩木山が見えやすくなるように土台を高くしてあったことが気に入ったと明かす。
店舗面積は23坪。席数は11席。下山さんは「店内でゆっくりと過ごしてほしいため、お客さま同士の間隔は広めにしている。開業当初からソーシャルディスタンスだった」と笑顔を見せる。店舗として使っていないスペースがあり、マッサージを施術するサロンなども考えているという。
コーヒーは「ブレンド」をはじめ、無農薬や有機栽培のコーヒー豆を使った「ホット」(以上、450円)を用意。紅茶(各種500円)、ハーブティー(600円)、自家製レモネード(450円)なども用意する。メニューは、30種類の雑穀を使った「玉ねぎたっぷり薬膳カレー」(1,000円)、卵・砂糖・牛乳・バター・小麦粉を使わない「お豆腐ケーキ(ベイクドチーズケーキ風、ガトーショコラ)」(400円)、豆乳プリン(250円)を用意する。
同カフェでは、僧侶らをゲストにしたトークイベント「tera(寺)cafe」を3カ月に一度のペースで開催していた。寺院や神社が好きで、御朱印集めが趣味という下山さんが企画を手掛ける。「お寺は敷居が高くて行きにくいといった声があり、このイベントなら堅苦しくなく住職の話を聞ける」と下山さん。現在は新型コロナウイルスの影響で開催の予定はないが、開催時はインスタグラムなどで告知する。
開店当初は同テナントに入る店が長続きしないことから、周辺住民の間では「すぐ辞めるのでは」とのうわさもあったという。下山さんは「近所の人も通ってもらえるようになり、ようやく認められてきたという実感はある。2年はあっという間で大変な毎日だったが、会社員をやっていたころと比べると充実している。あと10年は続けたい」と笑顔を見せる。
同カフェでは2周年を記念して、10月1日からリサイクルコーヒー豆を使った消臭剤の無料配布も行う。
営業時間は11時~17時。金曜定休。