弘前公園近くにあり、「忍者屋敷」と伝わる古民家を探索するツアー「弘前早道忍者隊とゆく! 忍者屋敷『最後の見学会』」が9月22日、開催される。
江戸時代に建てられたとされる同家屋。客間と寝室の床の間の裏に人が1人隠れられる空間や、人の侵入などを知らせる「ウグイス張り」の仕掛けが残されている。
ツアーのガイド役で青森大学忍者部顧問の清川繁人教授は「屋敷の老朽化と維持管理費の増大から、早ければ年内に取り壊される可能性が高くなってきた」と話す。
清川教授によると、津軽藩では「早道之者(はやみちのもの)」と呼ばれる忍者集団が長く存続し、北方警備のため動員された史実があるという。「諜報(ちょうほう)活動のほか、薬学に長(た)けていたことから、薬草の採集、蝦夷(えぞ)地での薬の売買に立ち会っていたともされる。室内には薬草を干していた形跡や周辺にはない珍しい草花も発見されている」とも。
清川教授は「発見されてからの3年間、文化財としての保存や忍者を求めるインバウンド観光活用などを模索していたが、いいアイデアが見つからなかった。最後のチャンスに期待し、解体される前に多くの人に忍者屋敷のことを知ってもらいたい」と話す。
ツアー日程は9月22日、10月12日・20日。開催時間は13時~16時30分。参加費は2,000円。事前申し込み制。「津軽まちあるき博覧会」ホームページで受け付ける。