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弘前の猫保護活動家が飼育環境啓発 飼い主の高齢化背景に

飼い主の入所などが原因で里親を待つ猫の張り紙

飼い主の入所などが原因で里親を待つ猫の張り紙

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 弘前の猫保護活動を行う小野かおりさんが現在、飼い主の高齢化による猫の飼育環境悪化防止の啓発活動に取り組んでいる。

飼い主が亡くなったため里親を募集している猫

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 「猫の殺傷処分ゼロ」を目指す署名運動や猫の保護・募金活動を行ったり、小野金商店(弘前市北瓦ケ町)で売り上げの一部を活動費に当てる猫グッズの販売を行ったりする小野さん。「今年に入り、飼い主の高齢化が原因で飼えなくなったという猫が13匹もいた」と明かす。

 小野さんによると、13匹はすべて、飼い主が施設入所や死亡したため、猫が飼えなくなったと家族から連絡があり、急きょ里親募集を呼び掛けることになったという。「高齢化社会で飼えなくなるペットが今後増えていくのではと不安がある。そうなる前に家族と一緒に考える機会だけでもつくってほしい」と呼び掛ける。

 高齢者の介護予防や生活などの相談・支援を行う弘前市南部地域包括支援センターの担当者は「実際のケースで、高齢夫婦が体調を崩したことをきっかけに入院し、家族とも連絡が取れなかったため多頭飼育していた猫は放置せざるを得なかったことがあった。しばらくした後に家に確認したところ、猫はいなくなっていた」と振り返る。

 「高齢者が飼えなくなったペットの相談には対応しかねるため困っていることは事実。家族に相談することが一般的だが、独居で家族が対応できない場合があったり、動物愛護センターでも対応してもらえなかったりする」とも。

 2012年に動物愛護管理法が改正され、青森県動物愛護センターでは持ち込まれたペットの引き受けを拒否できるようになった。小野さんは「改正によって、統計では致死処分数は減少傾向にあるのは自然な結果。センターに持ち込まれなくなった猫たちのその後は把握できていない」と指摘する。

 小野さんは「弘前では猫の避妊・去勢手術をしないで多頭飼育している人がいたり、野良猫に餌だけを与えてしっかり飼育していなかったりする人がいる。飼い主だけの問題でなく、猫の飼育環境を改善させるため手術に対して助成金を出す自治体もある。弘前全体で意識を変える必要があるのでは」と話す。

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