弘前周辺エリアで現在、スマホ決済システムを導入する店が増えている。
Suicaに対応していないことを案内する電光掲示板(弘前駅で)
訪日外国人旅行者の増加に伴い、「Alipay(アリペイ)」「WeChatPay(ウィチャットペイ)」など特に中国のスマホ決済システムの導入が進んでいる。青森銀行が昨年4月、「Origami Pay(オリガミペイ)」との銀行口座連携を東北で初めて行い、アリペイ普及に力を入れていることも一因にある。
鯵ヶ沢町では昨年12月、広報紙でキャッシュレス決済を2ページにわたって特集したほか、小売店向けに勉強会を行うなど力を入れている。同町政策推進課地域経営戦略班担当者は「インバウンド旅行者が町内で宿泊しているが、買い物をしていない実情があった。まずは受け入れる体制を作る上で需要と必要性を学ぶところから始める」と話す。
昨年2月から「アリペイ」と「ウィチャットペイ」を導入したアイリッシュパブ「ドーランズ」(代官町)店主の成田赳平さんは「店の前を通り過ぎていく中国人観光客に来てもらおうとスマホ決済を導入したが、直接集客に結びついている実感は薄い。選択肢が増えるという意味ではよいのでは」と話す。
「PayPay(ペイペイ)」は「100億円キャンペーン」が話題となり、現在急速に導入が進んでいる。「ドーランズ」では昨年12月に導入したという。「店側としての魅力は初期費用がない点と翌日に入金される点」と成田さん。「欧米系の外国人はカード決済が多い」とも。
楽天のキャッシュレスシステムを2012年の開店当初から導入しているという雑貨店「bambooforest(バンブーフォレスト)」(代官町)店主の竹森幹さんは、「アプリから確認できる導入店舗一覧などを見て来店するお客さまもいる。ポイントを利用して購入するケースも多い」と話す。
菊池薬局(土手町)店主の菊池清長さんは「一昨年、『爆買い』の観光客が増えて対応に困ったことがあった。スマホ決済システムは昨年から導入し、言葉を交わす接客がほとんど必要なくなったため、便利にはなった」と話す。
弘前在住の30代男性は「近所のドラッグストアで買い物をしている中国人団体がいたのを見たことがある。受け入れ体制は必要だが、需要を知ることも必要」と話す。20代女性の一人は「スマホ決済システムはうれしいが、Suicaにも対応してほしい」と話す。