左が現在、右が2022年2月に撮影
読者より弘前公園の橋の名前が変わったと情報提供がありました。何が変わったのかというと橋の親柱に書かれてある橋名が、「ばし」→「はし」になっているとのこと。調べてみました。
編集部では過去の写真を探し、実際に比べてみました。するとどの橋も「ばし」から「はし」と名称が変更していることが分かりました。
左が現在、「たかおかはし」。右は数年前。「たかおかばし」となっています
左が現在、「かめのこうはし」。右が数年前。「かめのこばし」と現在と表記が違っています
どれも近年の改修工事のタイミングで変わっていることが分かりました。業者のミスか?表記ルールの変更か? 担当者に聞いてみました。
公園緑地課の担当者に聞いたところ、「ばし」を「はし」に、濁点を付けない読み方にしているのは、川などの水が濁らないようにする願いが込められているとのこと。春陽橋は2023年の改修で、「しゅんようばし」から「しゅんようはし」へ。下乗橋は2022年の改修で「げじょうばし」から「げじょうはし」に変更されました。
下乗橋は「げじょうはし」と書かれています。2023年の改修以前は「げじょうばし」だったという
亀甲橋に関しては、2024年の改修工事で「かめのこばし」から「かめのこうはし」に。濁点だけでなく「う」まで追加されています。これは亀甲橋が、隣接する亀甲町(かめのこうまち)に由来する名前だったことから、今回の改修で「かめのこうはし」と改めたとのことでした。
弘前公園には8つの橋があります。「杉の大橋」は2025年9月現在、改修工事中ですが、以前から「すぎのおおはし」だったため、「すぎのおおはし」のまま。さすがに「ぎ」の濁点は取らないようです。
現在は工事中。写真は2022年4月に撮影
そのほか「いちようはし」「はねはし」も濁点なしの表記。賀田(よした)橋は旧字のため、読めませんでしたが、今後の表記に注目が集まります。
一陽橋は「いちようはし」と書かれています
波祢橋は「はねはし」
賀田橋は「よした」と書かれている?
さらに調査を進めてみると、弘前公園だからこそ変えることができた理由もありました。本来、橋の名称を変えることは、行政的な手続きが必要となり、簡単には変えられないとのこと。それは濁点においても同じとのこと。しかし、弘前公園内であれば公園の橋ということで、手続きが特に必要ないみたい。だからこそ「水が濁らないように」という願掛けの思いを込めるといった理由だけで変更することができたのではないでしょうか。城下町に住む弘前の人の気質を感じました。
「ばし」と表記していました
ちなみに橋の近くの看板は、「ばし」と表記していました。
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