弘前の市民球団「弘前アレッズ」が9月2日、西武プリンスドーム(埼玉県所沢市)で行われた「全日本クラブ野球選手権大会」本大会一回戦に出場し、関東代表の「YBC柏」にサヨナラ勝ちした。
日本野球連盟加盟の全国258チームが出場する同大会。トーナメント形式で予選に勝ち残った16チームが戦い、日本一を決める。弘前アレッズが東北代表として出場するのは2年連続3度目。昨年から監督に就任した元プロ野球投手で弘前市職員の今関勝さんがチームを率いる。昨年の同大会では1回戦で14対0の大敗を喫した。
この日の試合は序盤から投手戦となったが、YBC柏がじわじわと追加点を重ねる一方、弘前アレッズは出塁するが得点に結びつかず8回まで無得点。YBC柏はさらに最終回表に2点を追加し、6対0となっていた。
今関監督は「冬の間に力を入れたメンタルトレーニングの効果が現れた」と話す最終回裏の攻撃。1番打者は打ち取られたが、相手のエラーを逃さずチャンスを作り、満塁。そこからタイムリーヒットと相手のエラーなどを誘い、6点差を追いつき最終回裏で同点とした。
延長は1死満塁から試合を行うタイ・ブレーク方式で、先攻のYBC柏はリリーフでマウンドに上がった下山翔投手の失投を見逃さず1得点。後攻の弘前アレッズは、鈴木汰一選手がセンターに運び1点を取り、続く葛西優太選手はショート頭上を越えるレフト前ヒットを放ち、試合を決めた。葛西選手は同試合で初のヒットだった。
今関監督は今年の高校野球青森県大会で9回6点差を逆転して話題となった弘前学院聖愛高校の指導にも関わったことがあり、「逆転の試合のイメージはできていた。最後まであきらめなければ何かあると信じていた」と振り返る。同球場に応援に駆けつけていた弘前出身の元関脇若の里・西岩親方は「感動的な試合だった。野球は最後までわからない」と声援と拍手を送った。
2回戦は9月4日9時から北信越代表の千曲川硬式野球クラブと戦う。公式サイトでは弘前大学の学生らによる生中継も行う。