鳴海要記念陶房館ギャラリー(弘前市賀田)で現在、青森・平川在住の芸術家・對馬基起さんによる写真展「路上観察写真展 津軽編」が開催されている。
對馬さんが約40年間、津軽地域の路上から見た風景を撮り続けた写真作品を並べる同展。撮影を始めたきっかけについて、對馬さんは「伝統や歴史のある建築物はきちんと保存されるが、日常の風景や建物は少しずつなくなっていく。それらをせめて写真として残していきたいと考えた」と話す。
2006年には田中屋画廊(元寺町)で同様の写真展を一度開催しており、今回は鳴海要記念陶房館ギャラリーからの誘いを受けて開催した。「毎年何らかの展示会をやっており、過去には海辺に採取した小石を並べただけ展示や収集した古漫画やレアな古本を展示したこともあった」と話す。
館内にはパネルにまとめた写真作品200点のほか、7000点以上の写真を収めたアルバムを展示。アルバムにはそれぞれテーマがあり、現在では見る機会が少なくなった「ホーロー看板」や「火の見やぐら」、窓ガラスの配置によって「顔に見える物件」「注意書きの間違い」といった写真作品をまとめている。
對馬さんは「日常の風景には意識しない芸術がある」と話す。「例えば日本を代表する造形作家・斎藤義重さんの作品と似たオブジェが街中にあったりする。昔の風景を懐かしむという楽しみ方もあると思うが、これらの写真作品は現代アートに通じるものがあるので若い人たちにも見てほしい」と呼び掛ける。
開催時間は9時~16時まで。最終日は15時まで。6月21日は休館。入館無料。6月26日まで。