青森県立美術館(青森県青森市)で開催中の「成田亨展」で5月1日、特撮ヒーロー「ヒューマン」の複製ブロンズ像の販売が始まった。
細部までこだわったクオリティーと手作りの質感が楽しめるという「ヒューマン」ブロンズ像(1)
ヒューマンは1972(昭和47)年に放送された特撮ヒーロー番組「突撃! ヒューマン!!」(日本テレビ系)の主人公。成田さんがキャラクターデザインを担当した作品は、「ウルトラマン」「ウルトラセブン」と「ヒューマン」の3作品のみ。同番組は舞台による公開収録番組だったため現存する映像フィルムがないと言われ、ファンたちの間では「幻の特撮作品」と呼ばれている。
ブロンズ像は、成田さんが1987(昭和62)年に作ったレジン製の彫刻作品で、同展では「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」と共に3体で展示している。同館の学芸員の工藤健志さんは「食玩は過去にあったが、ブロンズ製でここまで忠実に再現した作品は今までにないのでは。バーフェクトなクオリティー」と太鼓判を押す。
製作は、青森県田舎館村に工場を持つ「ソルテック」(東京都墨田区)。同社の平井俊之さんは「当初、3Dプリンターを使ったブロンズ像化を考えていたが、3Dスキャンでは質感や細部のディティールを再現することができず断念した。妥協はしたくなったので、型取りから再スタートし、開催前日まで原型作品を使った製作作業が続いた」と明かす。
製造数は40体限定、シリアルナンバー付き。高さ44.5センチ、重さ約5キロ。4月11日から始めた予約注文にはすで申し込みもあるという。「1つのアート作品として見てほしい」と平井さん。「青森出身のアーティストの作品に携わることができてうれしい」とも。
価格は1体=47万5,200円。問い合わせは同館ミュージアムショップ(TEL 017-761-1420)まで。