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弘前の老舗喫茶店「万茶ン」、5代目店主が1周年 開業100年目指す

「万茶ン」5代目店主・阿部郁さん

「万茶ン」5代目店主・阿部郁さん

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 弘前のかくみ小路にある喫茶店「土手の珈琲屋 万茶(まんちゃ)ン」(弘前市土手町)が5代目店主になって1周年がたった。

万茶ンの店内

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 1929(昭和4)年創業の喫茶店で、2024年12月6日から店主となったのは阿部郁(かおる)さん。元タクシードライバーで、4代目店主が辞めたことによる5代目の公募を知り、「接客業を続けてきた経験を生かし、弘前の魅力を発信できる拠点を持とうと考えた」と応募した。

 阿部さんが5代目店主に選ばれたのは2024年8月。同年内の営業再開を目指して急ピッチに準備を進め、クラウドファンディングで開業資金を集めた。阿部さんは「過去には作家や画家などの文化人が訪れたと言われている当店。現代のポップカルチャーを取り入れ、新しい文化のある店になることを意識した」と話す。

 店内には現在、初音ミクや漫画「ふらいんぐうぃっち」、りんご娘やライスボールなどのグッズが並ぶ。グッズが増えたのは阿部さんが私物のグッズを展示したことがきっかけ。常連客などがグッズを寄贈するようになったという。「知らない文化を知る機会になるし、弘前を知ってもらう場にもなれば」と阿部さん。客層が広がり、県外からのリピーターも増えていった。

 阿部さん自身は弘前を舞台にした漫画「ふらいんぐうぃっち」をきっかけにポップカルチャーに傾倒し、自分自身でコスプレイヤーを演じるようにもなった。その経験から着物姿で接客する。昭和レトロな店内とマッチし、写真を撮る客も多い。

 メニューは先代から踏襲。コーヒー(900円)はサイフォンで入れる。厨房スペースがないため食事メニューの提供は難しいが、スイーツは用意。リンゴ入りの「万茶ンオリジナルてぃらみす」(600円)を提供するなど、オリジナルメニューを増やしている。

 1年を振り返りあっという間だったと阿部さん。イベントの開催や新メニュー開発などにも力を入れる。店については分からないことが多く、過去の店のことや歴史なども調べている。阿部さんは「開業100年を迎える2029年までは店を続けることが第一目標」と意欲を見せる。

 営業時間は月曜~木曜=13時~18時30分。金曜・土曜=13時~19時30分。日曜定休。

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