ひょう害を受けたリンゴを応援し、前向きに市場に広めていくプロジェクト「雹(ひょう)kissりんご」が東京を中心に展開している。主催はNPO法人ヤム!ヤム!ソウルスープキッチン(東京都港区)。
「雹Kissりんご」のメーンビジュアル。「りんご王国」のメーンビジュアルも手掛けた弘前市出身のイラストレーター・山内マスミさんの書き下ろし
9月12日に弘前市、平川市、大鰐町でひょうが降り、多くのリンゴに被害を及ぼした。リンゴは傷があったり果皮にあざが残ったりすると市場での価値を失ってしまうため、廃棄されるかジュースなどの加工用として出荷される。同NPOの西田誠治さんは青森県PRイベントの現地取材の中で、ひょう害の状況を知ったという。「一軒の農家だけの被害しか見ていないが、地域全体の被害を考えると言葉を失った」と話す。
同プロジェクトは「天空からハートを射抜かれました!」というストーリーを付加し、ひょうによって傷ついたリンゴは希少性が高く価値もあると捉え直す取り組み。「傷がついたリンゴは傷を治そうとするため、糖度が上がりおいしくなる」と西田さん。「このプロジェクトを通じて産地や生産者のことも知る機会になれば」とも。
同プロジェクトは3つの支援企画で展開する。12月25日までの期間で、廃棄処分となるひょう害リンゴをチャリティーサイトで販売。11月28日には「りんごカフェ in IKEBUKURO」と題し、生産者と交流しながら限定スイーツを味わうカフェイベントを開催する。翌29日にはひょう害のリンゴも含めた食材を使いオリジナルタイ料理を楽しむ「Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN vol.15|青森県ver.」を行う。